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隠れた1台のエアコンが住戸全体を優しく包む『涼暖季候』を開発
−「部屋毎のエアコン」を不要に−

2007.08.02

  東急建設株式会社(東京都渋谷区 社長:市川正美)と日立アプライアンス株式会社(東京都港区 社長:石津尚澄)は、高気密・高断熱の集合住宅に向けてエアコンを用いたセントラル方式※1の住戸内全館空調システム「涼暖季候」を共同で開発しました。
  「涼暖季候」は、セントラル方式でありながら、住戸置き床の床下空間を送風経路としてダクトレスで各室へ送風するなど、建築の部位や部材を空調設備として利用するとともに、建物の気密性や蓄熱性、断熱性を有効に活用できる"建築と設備が融合したシステム"です。各部屋に設置したエアコンで個別に空調する従来の方法とは異なり、省エネルギーと快適性向上が両立でき、ビルド&ストックの循環型社会※2にふさわしいシステムです。
  東急建設と日立アプライアンスは、東急建設の技術研究所(神奈川県相模原市)内の実験住戸における実験や、試験的に導入した東京都目黒区のマンションでの実生活における実測に基づきシステム開発を進めてきました。その結果、優れた快適性と高い省エネ効果を確認することができ、本システム「涼暖季候」で使用するルームエアコンの製品化が実現したことから、このたび本格的な普及展開を図ることにしました。エアコン機器は日立アプライアンスが製造し、日立コンシューマ・マーケティング株式会社(東京都港区 社長:渡辺修徳)を通じて機器を供給し、当面は東急建設が施工する個人邸、集合住宅に展開をはかり、市場の拡大を目指します。
  ※1 セントラル方式:冷暖房機器を各室に設置する個別方式とは異なり、建物の一箇所に冷暖房機器を設け、そこからダクト等で各室に送って、建物全体に冷暖房が行き渡るようにしたシステム。
  ※2 循環型社会:環境への負荷を減らすため、自然界から採取する資源をできるだけ少なくし、それを有効に使うことによって、廃棄されるものを最小限におさえる社会

【開発の背景】

  近年、地球温暖化防止政策による省エネルギー基準の強化やエンドユーザーの環境への関心の高まりなどを受けて、気密性が高く、熱ロスの少ない高気密・高断熱仕様のマンションが増えつつあります。このような高気密・高断熱マンションにおいては、住戸の気密性が高いため住戸内全体を一つの部屋として空気を動かすことが可能となり、さらに断熱性が高いため屋外への熱ロスが大幅に少なくなります。そこで、高気密・高断熱マンションに向けて、住戸全体の空調に要するエネルギーを1台のエアコンでまかなうセントラル空調システムの開発を平成14年に着手しました。さらに、間取りなどの内装の変更に対して、機器や配管の移動をする必要がない空調システムとすることで改装時に設備・仕上げ工事が少なくなり、住宅の長寿命化にも十分対応可能なものにすることも目指して開発してきました。

【概 要】

 「涼暖季候」は通常の空冷ヒートポンプエアコンと同様に、室内機と室外機で構成されます。通常のエアコンが壁や天井に設置されるのに対し、「涼暖季候」はマンションの玄関下足箱の下部や廊下の収納部などの隠れたスペース(床からの高さ650mm、巾1,500mm、奥行き560mmの空間が必要)に室内機を設置し、送風ダクトにより床下へ温風、または冷風を送気します。設置スペース前面には室内からの還り空気を室内機に導入する吸込みグリルを取付け、空調機→置き床の下部空間→室内→空調機といった住戸全体の気流の循環経路を形成します。床下に吹込んだ温風や冷風は床下を通り、住戸外周(四周)の壁と床の間に設けられた隙間を通り、専用の吹出し開口のある巾木から室内へ緩やかに吹出します。室内空気はドアのアンダーカットや扉のガラリ、天井のパスダクトなどを通って室内機に還ります(図1)。
 本システムは、置き床の下部空間を送風経路として利用することで躯体の蓄熱性能を十分に活かし、24時間連続で住戸全体をゆっくりとした気流で常時空調することにより、いつでもどこでも快適な居住空間を提供することができます。
    システム図
              (図1)システムの概要

【特 長】

 巾木部分から緩やかに吹出す気流による空調は、嫌なドラフト感がありません。さらに、壁や床からの輻射熱によるナチュラルな涼しさ、暖かさが得られます。また、各居室にまんべんなく暖気や冷気を送り、廊下等を経て室内機に還るため、住戸内各室間の温度差が小さく、ヒートショックを防ぐことが出来ます。
 高さ方向の温度分布も天井から床までほぼ均一で、床付近の冷えすぎ、天井付近の暖まりすぎを解消し、家中温度ムラがない快適な空間を提供できます。
 個別空調に比べ、室内機、室外機が1セットで空調システムが構築できるため、室外機を設置するスペースが少なくてすみます。
 外断熱工法との併用により、従来の建物に比べて冷暖房に要する消費エネルギーを最大で約3割程度低減することが可能になります。
 また、全熱交換型の換気設備と組み合わせることによって、外気が直接室内に入らず快適性を損なわない換気が可能になります。

【今後の展開】

 東急建設では、神奈川県相模原市において施工中の外断熱工法を用いた鉄筋コンクリート造の個人邸に「涼暖季候」をスペックインしているほか、その他いくつかの個人邸に採用を予定しています。また、マンション物件にも積極的な提案を行っており、今後本格的な市場展開を図る予定です。


【本件に関する問い合わせ先】

 
東急建設株式会社
経営企画室 下原
TEL.03-5466-5005
E-mail:webmaster@tokyu-cnst.co.jp
 

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