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積層ゴムのみで高い免震性能を発揮
戸建て住宅用免震システム(装置と工法)を産学協同で開発

2007.03.01

  東急建設(株)(東京都渋谷区、社長:山田豊彦)と武蔵工業大学(東京都世田谷区、学長:中村英夫)工学部建築学科の西村功助教授、東洋ゴム工業(株)(大阪府大阪市、社長:片岡善雄)では、免震構造に必要な3つの機能、「支承(建物の荷重を支える機能)・復元(揺れたときに元の位置にもどる機能)・減衰(地震エネルギーを吸収する機能)」をひとつの円筒形高減衰積層ゴムに集約した、戸建て住宅用免震システム(装置と工法)を共同開発しました。
  この免震システムは、高減衰積層ゴムのみで戸建て住宅の免震構造を実現できるところに特長があります。この積層ゴムは、建物が載るRCスラブとベタ基礎の間に設置するので、工期の短縮とコストの低減が図れ、戸建て住宅の免震構造の普及に大きく寄与するものとして期待しています。


【開発の背景】

  今後予想される大地震として、東海から四国沖までを震源とする東海地震をはじめ、東南海、南海地震などが警告されています。また、地震による死者数の大多数は建物倒壊が原因と言われていますが、内部の家具や設備の転倒に起因する死傷者も多く、これに対応する必要があります。従来から地震被害を抑える建築技術として、「耐震、制震、免震」の3種類が採用されています。「耐震」は建物が強い揺れに耐えられるようにするもので、「制震」と「免震」は建物の揺れそのものを抑え、人が生活する内部の家具や設備の転倒を防ぐものです。
  また、「免震」は、揺れ自体をゴムやベアリングなどによって受け流す仕組みとして、新築だけでなく、既存建物の地震対策にも使用されています。しかしながら、これまでビルに採用されている免震システムを建物重量が軽い戸建て住宅に適用させることは困難とされてきました。そのため、一般的に戸建て住宅を免震化(長周期化)するためには、「すべり支承」、「転がり支承」と「積層ゴム」を組み合わせ、各デバイスに機能を分離させたシステムが一般的でした。
  これらを背景として、積層ゴムの座屈安定理論を考案した武蔵工業大学工学部建築学科西村助教授とビル用建築免震用積層ゴムの開発・設計、製造、販売で実績を有する東洋ゴム工業、免震建物の設計、施工の実績を有する東急建設の三者が共同で実証実験を重ね、これまでは存在しなかった、3つの機能(支承・復元・減衰)をひとつに集約した円筒形高減衰積層ゴムを用いた戸建て住宅用免震システムを共同開発致しました。
※座屈:せん断変形の増加に伴い水平剛性が0となり、復元性を失う現象

【装置の特長】

 1.積層ゴム構造
  「高減衰積層ゴム」は、外径φ210mmで高さ335mmと細長い形状ながら、積層ゴム構造の工夫により優れた水平変形性能があります。また、製品の品質管理には、東洋ゴム工業の長年にわたる防振ゴム製造技術が活かされています。
 2.ゴムの材料
  ゴムの材料には、ビル用免震積層ゴムとして豊富な実績のある高減衰ゴム配合を使用しています。このゴムは、低せん断弾性係数で高い減衰定数を保有することが特徴で、特殊な配合技術により実現したものです。
 3,免震性能
  東急建設の3次元振動台を使用して、実際の戸建て住宅の免震建物を振動台上に構築・設置し、阪神淡路大震災で観測された地震波(神戸海洋気象台波)などによる加振実験を行い、免震建物の性能の確認をしました。その結果、免震建物内では、地震力が1/3〜1/4に低減出来ました。
 4.構造
  建物の下に設置する免震層は、下から順にベタ基礎、高減衰積層ゴム、鉄筋コンクリート製の架台にて構成されています。建物を支持する架台には、剛性が高く施工が容易で重量もある鉄筋コンクリートスラブを採用することにより、重心の低い安定した建物となります。また、複数の「高減衰積層ゴム」の配置の自由度が増すこととなります。また、鉄筋コンクリートスラブは耐久性も優れておりライフサイクルコストの低減化にもつながります。


本システムを採用した戸建免震住宅
(撮影用に免震層のカバーを外し、建物下ににライトを入れています)

  本免震システムは、既に昨年秋より3物件で採用され、第一号物件は本年1月に引渡しが完了しました。もう一物件は東京急行電鉄株式会社が多摩田園都市で開発を進めている川崎市宮前区の分譲住宅で、残る一物件は現在施工中です。

【今後の販売計画/価格】

  本免震システムの販売に関しましては、以下の通りを予定しております。
 1. 販売時期
平成19年8月開始予定
 2. 販売価格
免震システム本体価格は、延床面積坪当り8万円台。
(総2階延べ40坪の建物を想定)
※免震システム本体価格には、積層ゴム、鉄筋コンクリート架台の設置、施工費を含み、地盤調査費、構造設計費、附帯工事費は別途となります
 3. 販売エリア
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県(地盤調査により不適切なエリアがあります)
 4. その他
販売当初は免震システムとして東急建設が施工をいたしますが、広く普及させる観点より、ハウスメーカー、工務店向けへの技術コンサルタントや、戸建住宅に限らず軽量建物への応用も検討中です


【本件に関する問い合わせ先】

 
東急建設株式会社
経営企画室 下原
TEL.03-5466-5005
E-mail:webmaster@tokyu-cnst.co.jp

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