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貯留雨水給水型緑化システム ― テラポンド工法
雨水を活用して立体駐車場の屋上・中間階・壁面をまとめて緑化

2004.12.07

  東急建設株式会社(東京都渋谷区:社長 山田豊彦 以下「当社」)は、本年10月8日に横浜市都筑区にオープンした商業施設「ヴェレヴ」に付帯した「センター南駅前立体駐車場」において、株式会社クレアテラ(東京都世田谷区)ならびに株式会社明治ゴム化成(東京都新宿区)と共同で開発し普及に努めてきた「貯留雨水給水型緑化システム〜テラポンド工法」(以下、本工法)により、屋上から中間階、さらには壁面までをまとめて緑化するシステムを施工。植栽された草木は順調な生育を続けています。
  本工法は、雨水が直接かからない中間階でも潅水の手間がいらず、しかも低木を含む多様な品種の植栽が可能であり、都市の緑化エリアの拡大に寄与するものとして期待されています。


【テラポンド工法とは】

<開発の背景> 遠くのダムよりその場の雨を活用 都市型洪水対策としても有効
  都市のヒートアイランド対策として、屋上や壁面などの構造物緑化のニーズが高まっています。しかし、構造物の緑化には頻繁な潅水が必要であり、環境対策としての緑化に遠い水源地からの水道水を用いるのでは本末転倒です。また、一般的な緑化工法では潅水の手間を省く等の目的から乾燥に強いセダム類を植栽するケースがありますが、多様な植物による視覚的な演出を望むには限界がありました。さらに、渇水して植物が枯れた場合に植え替える費用も考慮しなければならず、これらが構造物緑化の普及を妨げる要因でもありました。
  一方、近年多発している都市型洪水も、ヒートアイランド現象に起因すると言われています。昨年6月には「特定都市河川浸水被害対策法」が成立し、河川整備や下水道整備が完了している都市部においては、雨水貯留浸透施設を設置するための法的整備が進められています。
  そこで、これらの問題を解決するために、当社は明治ゴム化成ならびに緑化コンサルティング事業を展開するクレアテラの協力を得て、緑化する場所の降雨の流出を積極的に抑制しながら貯留し、毛細管現象を活用して無動力で土壌に給水する本工法を2年前(平成14年)に開発。昨年7月にはテラポンド研究会*を設立し、普及促進に努めてきました。
*テラポンド研究会:上記3社を幹事会社として、正会員・賛助会員など7社(潟pワーアンドコムテック、ガルフシール工業梶A世紀東急工業梶A日産緑化梶A相鉄建設梶A三菱商事プラスチック梶Aシップス求jの計10社で構成されている(平成16年10月31日現在)。 〔ホームページアドレス:http://www.aqua-green.jp〕

<工法の概要> 貯留槽・給水・排水機能が一体化したシンプルな構成
  図−1に示すように、下部に貯留部、上部に植栽部を設け、プラスチック(ポリプロピレン)製土壌支持部材に設置した給水部材により貯留水が給水されます。
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  降った雨は速やか植栽部を通過して貯留部に蓄えられ、かつ植栽部には必要な水分量が毛細管現象により供給されるため、水の過剰供給がなく、常に適度な水分量が植物に供給されます。また、降雨時水位(オーバーフロー高)を植栽部の位置で設定し、雨が止んだあとで通常時水位に設置した小口径の流出口(オリフィス)から少しずつ水が抜けるようにすることで、流出抑制機能を持たせることが可能です。
  貯留部が覆土されていることで外部気象の影響を受け難いため、貯留水の保持性能が高く、長期的に水道水を給水することなく植栽を維持することが出来ます。図−2は、神奈川県相模原市にある当社技術研究所の屋上に設置した本工法の緑化施設において、2002年12月から1年間の貯留水の変化と降雨量の関係を示したものですが、年間を通じて充分な貯留水が存在することが確認されています。
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<適用場所> 雨水のかからない建物の中間階や高架下には特に有効
  本工法の効果が発揮されるのは、水の確保が難しい場所や潅水手間をかけられない場所での緑化です。例えば、防災公園における雨水貯留施設上の緑化などに有効で、荷重に問題がなければ屋上や人工地盤上の緑化も可能です。
  今回の事例のような建物の中間階、あるいは高架橋の下部など雨のかからない場所には、他の場所(屋根等)で集水した雨水を貯留部に導入して活用します。

<特長>
○ 省資源:潅水が不要。長期に降雨がない場合も少量の足し水で効果を持続
○ 雨水の活用:その場の雨水を活用し都市の水循環を再生
○ 維持費の低減:潅水に動力・水道水などが不要で維持費を低減
○ 雨水流出抑制:都市河川浸水被害対策としての雨水の流出抑制に寄与
○ 広い面積で効率的施工:ユニットを縦横に組み合わせることで、コンテナ式のものに比べて広い面積を効率的に施工可能
○ シンプル&高機能:土壌支持部材が排水材・給水材・貯留材を兼ねるため、シンプルな構成で高機能なシステムを提供
○ 壁面緑化にも有効:多様な品種の植栽が可能なことから、蔓性の植物を用いることで壁面の緑化にも対応が可能       

<コスト> 給水設備が不要でランニングコストが大幅減
  本工法は、給水タイマーや潅水設備、排水材などにより同様の機能を有する他の緑化工法と比較した場合、工事費は同程度です。しかし、維持費を考えた場合、本工法は原則として貯留槽などの部材の交換が不要であり、雨水の引き込みから植栽部への供給に動力を必要としないため、水道水料金や電気料金などもかかりません。雨水活用のために貯留設備や配水設備を別に設けた場合と比較すると、より一層のコスト低減が可能となります。
  また、仮に長期わたって降雨がない場合は貯留水を補給する必要がありますが、水の使用効率が良いため、通常より少ない給水量で済みます。

<実績>
  今回の立体駐車場におけるテラポンド工法の施工面積は、過去最大規模の116平方b。トータルでは281.5平方bの実績があります。

【今後の展開】

  当社は、今回の事例を機会に、独自の環境保全・都市型洪水対策技術として立体駐車場のみならず、商業施設、マンション、戸建て住宅等にも積極的に提案していくとともに、引き続きテラポンド研究会を通じて本工法の普及拡大に努めてまいります。



【本件に関する問い合わせ先】

 
東急建設株式会社
経営企画室 井上・下原
TEL.03-5466-5005
E-mail:webmaster@tokyu-cnst.co.jp

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