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コンクリート構造物のひび割れ自動撮影・検出システムを実用化

2004.09.29

  東急建設株式会社(東京都渋谷区:社長 山田豊彦、以下「当社」)は、このほど、コンクリート構造物のひび割れ自動撮影・検出システムを実用化し、高架橋等の調査診断技術の高度化を実現しました。
  本システムは、高性能デジタルカメラで最大20m程度の遠隔から構造物を自動分割撮影し、ジャイロ・測距データを用いて画像の歪を自動補正するとともにパッチワーク処理を行い、ひび割れを自動検出するもので、従来の目視調査に比べて作業効率が飛躍的に向上し、より定量的な調査が可能となりました。
  トンネル等の同じ形状が続く構造物のひび割れ撮影・検出には、カメラを車両に搭載して移動しながら連続撮影することが可能ですが、本システムはポータブルタイプの定点撮影仕様であり、連続撮影が難しい市街地の鉄道高架橋等の調査診断に威力を発揮します。


【取り組みの背景】

  高度成長期に整備された大量の社会資本ストックは構築から数十年が経過しており、劣化による使用性能の低下や剥離・剥落などによる第三者被害が懸念され、維持管理の重要性が再認識されています。適切な維持管理を継続するには、定期点検等により、ひび割れに代表される劣化現象とその進展を的確に把握する必要があります。
  従来、高架橋等のコンクリート構造物のひび割れを調査・記録する方法は、主として目視により行われており、耐久性の面から問題となる0.2mm程度のひび割れを検出・記録するためには、足場や高所作業車を用いて近接目視する必要がありました。また、デジタルカメラで撮影した画像の処理においては、正対化補正(斜めから撮影した写真を真正面から見た写真に補正する作業)やパッチワーク処理に多大な労力を必要とする等の課題がありました。
  そこで、当社は画像処理技術メーカーの株式会社ファースト、施工システムの情報化を手がけるエルメス計測工業株式会社の協力を得て、より簡便で高精度の検出データが得られるシステムの実用化に取り組みました。

【システムの概要】

  本システムは、自動撮影システムと検出システムで構成されています。
  (自動撮影システム)
  撮影部は高性能デジタルカメラ、ジャイロ、測距、アクチュエータ、バッテリー、これらを制御するノートパソコンから構成され、全重量30kg程度。機動性に優れたポータブルタイプで容易に持ち運び可能です。ノートパソコンには過酷な条件下でも対応可能なタブレットPCを採用しています。
  現地調査では、あらかじめ範囲を指定するとともに、データ処理に必要なジャイロ、測距の位置データを取得し、アクチュエータと連動させることにより指定範囲を自動で連続分割撮影します。ひび割れの測定精度は、高性能デジタルカメラに望遠レンズを選択することにより、最大20mからの遠隔撮影で0.2mmのひび割れ検知が可能です。近距離からの測定が可能な場所では、撮影距離に応じて測定精度が向上します。
  (検出システム)
  撮影した画像は、ジャイロ・測距データを用いて正対化補正し、さらにパッチワーク処理を自動で行います。そして処理された画像からひび割れを抽出し、その長さや幅を自動出力します。ひび割れの検出処理等はインターネットを利用したASP方式を採用しており、常に最新のソフトが提供されます。

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【効 果】

  遠隔からの定点撮影を基本に一連の作業を自動化したことにより、足場や高所作業車が不要となるだけでなく、現地での作業が大幅に省力化されました。その結果、調査に要する作業時間は従来の目視による方法と比べて1/5程度で済みます。
  目視による測定の場合は、天候や個人差などでばらつきが激しく、ひび割れの状況は定性的な指標でしかありませんでした。本システムでは、このようなばらつきを排除することにより再現性のあるデータの検出ができるため、定期的に使用することでひび割れの進展を定量的に把握することができ、追跡調査やモニタリングとしての使用が可能となります。さらに、対策工法の要否やその時期の決定等、より質の高い効率的な維持管理計画の策定にも威力を発揮します。

【今後の展開】

  東急建設では今後、東京急行電鉄や伊豆急行をはじめ、他の民間鉄道事業者に対しても、本システムによる調査診断レベルの高度化を提案し、需要拡大に努めて行きたいと考えています。



【本件に関する問い合わせ先】

 
東急建設株式会社
経営企画室 井上・下原
TEL.03-5466-5005
E-mail:webmaster@tokyu-cnst.co.jp

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