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光触媒水処理システムによる地下水浄化実証試験を実施
−海外技術の導入により複合汚染水の浄化に注力−
2004.09.03

  東急建設株式会社(東京都渋谷区:社長 山田豊彦)は、カナダのピュリフィックス社が開発し、ダイオーエンジニアリング株式会社が国内総代理店となっている「光触媒水処理システム」を技術導入していますが、このほど、土壌・地下水汚染対策工事において実証試験を行い、汚染水の浄化における同システムの高い処理能力を実証しました。
  この光触媒水処理システムは、揮発性有機化合物(VOCs:Volatile Organic Compounds)やダイオキシン類(DXN:Dioxins)などの難分解性有機化合物により複合汚染された地下水や排水を安全に浄化するとともに、ランニングコストを含めた処理コストの低減を可能にするもので、今後の土壌および地下水の浄化市場への普及が期待されます。


【取り組みの背景】

  近年、企業の工場跡地などの再開発に伴い、土壌・地下水汚染が顕在化しつつあります。特に最近の法令等の整備に伴い判明する汚染事例件数は著しく増加しており、ここ数年は高い水準で推移しています。また、違法・合法を問わず、ゴミの埋め立てなど過去の事業活動による複合的な汚染も顕在化しています。このような問題に対処するため、周辺環境に悪影響を及ぼすような有害物質を含む廃棄物を移動させることなく現地で無害化し、余剰物(二次廃棄物)を発生させず、なおかつ処理コストの低減を可能にする技術の確立が早急に求められていました。
  そこで、東急建設はダイオーエンジニアリングと共同で、揮発性有機化合物やダイオキシン類、農薬などによる複合汚染水の処理技術として、光触媒水処理装置を用いた安全で低コストな処理システムを導入することにしました。
 本システムは、これまで海外で24か所の施工実績があり、原子力施設、アメリカ軍や韓国軍の軍関係施設の他、民間の化学施設などに適用され、地下水浄化や有害化学物質の分解除去などに実績があります。日本国内においては、既にダイオーエンジニアリングが市場開発を進めていましたが、今後の更なる普及を図るため、東急建設と同社が共同で今回の実証試験を行ったものです。

【システムの概要】

  今回導入したシステムは、カナダのピュリフィックス社が開発・実用化した光触媒を使用する新しい汚染水浄化装置です。中心となるのは、紫外線(UV)を光触媒(二酸化チタン)に照射することにより高酸化力をもつヒドロキシラジカルを生成し、その高酸化力によって難分解性物質等の汚染対象化合物を分解する技術です。半永久的な二酸化チタンを触媒とし、ヒドロキシラジカルを効率良く生成して水中の有機物を酸化分解するので、二次廃棄物を出すことなく現地での浄化処理が可能となります。
  本システムの特徴は、リアクター(分解槽)内で処理対象液に光触媒粒子を直接混合させることにより、有害物質と光触媒との接触面積を増やして分解能力を高めたことと、水中の光触媒の回収における特殊なノウハウにあります。
  処理可能な有機化合物は、ダイオキシン類、アルキン(殺虫剤、除草剤)類、アルコール・エーテル類、アルカン・塩化アルカン類、有機塩素化合物(AOX)類などであり、BOD*やCOD*、あるいはTOC*の低減にも有効です。

* BOD:生物化学的酸素要求量 COD:化学的酸素要求量 TOC:全有機炭素 何れも水中における有機性汚濁の指標として用いられる

図1 光触媒水処理システムの概要

システム概要図

【システムの特長】

@従来の光触媒技術は光触媒を固定しているのに対し、本システムでは新開発の特殊なフィルターによって光触媒を分離回収・再利用するため、光触媒を処理対象液に直接混合し懸濁状態のまま紫外線を照射して処理することが可能となり、難分解性の有害な有機物質を非常に効率良く分解できます。
A他の水処理装置に比べてヒドロキシラジカルの生成量が多く、高い処理効率が得られます。
B二次廃棄物を生ずることが無く、ランニングコストは電力費と薬品類のみであり、コスト縮減を可能にします。
C装置はユニット化してあり、3m×1m程度の狭いスペースで設置が可能です。

図2 リアクターの分解機構

リアクターの分解機構


【実証試験結果】

  今回の実証試験では、汚染された地下水の浄化処理を実施し、浄化能力および処理能力とコストについて検証しました。
  浄化能力については、国が定める環境基準値以下の濃度まで処理できることを確認しました。
  処理能力とコストについては、試験で得られた時間あたりの処理能力データをもとに1日100tの汚染水処理を想定した結果、条件によっては従来工法に対して最大約30%のコスト低減が図れることが判りました。
  今回の装置では最大2t/時間の処理能力でしたが、処理ユニットの組み合わせを変えることにより、設置面積あたりの処理能力をさらに向上させることが可能となります。

【今後の展開】

  東急建設とダイオーエンジニアリングは、今後も本システムの処理能力のさらなる向上を図るとともに、排出する処理水の安全管理技術の確立にも共同で取り組んでまいります。
  また、東急建設では、浄化を必要とする汚染現場での処理コストを低減する技術として本システムを積極的に提案し、土壌ならびに地下水浄化市場におけるビジネスチャンスの拡大を目指してまいります。


【本件に関する問い合わせ先】

 
東急建設株式会社
経営企画室広報グループ
TEL.03-5466-5005

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