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短期間立体交差化新技術「QS工法」を共同開発
−都市再生のための立体交差整備市場への参入を目指す−
2003.05.30

株式会社宮地鐵工所(東京都中央区:社長 澤井廣之)と東急建設株式会社(東京都渋谷区:社長 落合和雄)は、ボトルネック交差点が原因となって起こる都市内の交通渋滞を解消するため、短期間に高架橋を施工する新工法『QS工法』を共同開発し、6月2・3日に開催される東京都主催の「短期間施工立体シンポジウム」において発表します。

【開発の背景】
交通量の多い都市部の交差点では、日常的に交通渋滞が生じ、排気ガスや騒音・振動による周辺環境の悪化、市民生活の不便、物流の遅延、緊急車両通行の妨げなど、人的、経済的な損失は甚大であり社会問題にまで発展しています。
一方、従来の工法では、渋滞が慢性化している交差点を立体化するのに1〜2年の工事期間が必要でした。さらに、作業スペースを確保するために通行規制も広範囲に及び、交通渋滞の緩和を目的とした事業そのものが更に深刻な交通渋滞を生むことが懸念され、事業を断念するケースもあったようです。
このような背景から、都市内の立体交差整備事業には、短期間に完了する急速施工であること、工事中の交通規制が最小限であること、工事用地が最小限であること、周辺環境への影響が小さいことなどの厳しい条件を満足する新工法が必要でした。
そこで、鋼橋の専業メーカーである宮地鐵工所と、都市土木の実績が多く鉄道の立体化工事を得意とする東急建設では、各々がこれまで培った鋼製高架橋を短期に施工する技術ならびに狭いスペースで下部工・基礎工を短期に施工する技術を結集し、立体交差整備事業が要求する"狭いスペースの中で極めて短期間に完成させる"新工法の開発に着手したものです。


【概 要】
本工法は、上部工と下部工を同時期に施工することにより、短期間に高架橋とそれに接続するスロープ部を構築し、交差点を立体化する工法のひとつです。工期短縮のため、施工に広いスペースを必要としない構造の採用と部材のプレキャスト化を徹底し、現場工期を従来工法(トラッククレーンベント架設)で上・下部工を同時に施工した場合と比べて、約半分の3.5ヶ月に短縮することができます。
橋梁部には、路面計画高を低くして全体の規模を小さくするため、支承や橋脚横梁が省略でき、桁下空間の確保に有利な橋脚と桁の剛結構造を採用しました。主桁構造は、軽量で下部工基礎の規模を小さくでき、構造高も抑えることができる鋼床版箱桁で、橋脚・橋台も鋼製としています。基礎工には杭基礎を想定し、フーチングはコンクリート充填鋼殻構造とします。スロープ部については、軽量で自立し、基礎杭と擁壁が不要となる気泡モルタル盛土となっています。
交差部の架設は、先行して架設した側径間上で組立てて送り出し、一括架設を行います。桁上を自走台車で送り出し、用地内で組立てた2台の大型搬送車に順次盛り替え、所定の位置まで移動後、リフトアップ装置により接合位置に降下します。その際、スピーディーに両側の既設桁との接合を完了するため、片方の橋脚部をセットバックして設置しクリアランスを確保、所定の高さに降下させた後、橋脚部全体をスライドして接合します。スライドする橋脚のフーチングコンクリートは充填せずに、鋼殻構造を杭上のスライド板で支持します(下線部特許出願中)。
この工法により、東京都下の環状7号線など4車線道路(総幅員25m)同士の交差部の立体化においても、下部工施工時は現状の車線数を確保することができ、桁架設作業の際は、側道部の一時的な部分規制を伴いますが、交差部の交通規制を1夜のみで行うことができます。

○上部工の構造
・形式:鋼製橋脚剛結の5径間連続鋼床版箱桁(鋼ラーメン橋)
・主径間長:60m(4車線道路を跨ぐ中央径間部)
○下部工・基礎工の構造
・基礎杭:場所打ち杭:コンパクトなTBH削孔機を用いたリバース杭
・フーチング:コンクリート充填鋼殻構造:鋼殻にコンクリートを充填した複合構造
○スロープ部の構造
・PC(プレキャスト)構造+気泡モルタル盛土(軽量盛土)


【施工手順】
実施工は以下の手順で各作業を行います(以下の起点側と終点側は逆でも可)。
各作業は前段の作業終了前、作業可能となった段階で着手し、並行作業で進めます。
@ 場所打ち杭の施工(削孔→鉄筋籠吊込→コンクリート打設)
A フーチングの施工(鋼殻を分割して搬入→施工ヤード内にて組立→設置→コンクリート充填)ただし、中央径間終点側の橋脚基部は100mmセットバックして設置し、コンクリート未充填とする。
B スロープ部の施工(壁基礎構築→PC板設置→気泡モルタル打設→PC高欄設置)
C 鋼製柱建て込み(フーチング鋼殻と現場溶接)
D 両側径間の桁架設(トラッククレーンによるベント架設)ただし、終点側の桁の一部を未架設とする。
E 起点側の桁上に軌条桁設置、中央径間桁ブロックの組立
F 大型搬送車の組立・待機(終点側の桁未架設部で1台、スロープすり付け部で1台)
G 中央径間桁ブロックの送り出し(桁上の自走台車→大型搬送車に順次盛替え)
H 同桁ブロックの落し込み(大型搬送車上のリフトアップ装置を降下)
I セットバックした終点側橋脚部を押し戻して桁の接合
J 残るフーチングのコンクリート充填および桁の架設、橋面工

【特 長】
○現場工期の大幅な短縮
従来工法の約半分の3.5ヶ月(上・下部同時施工を前提)
○最小限の交通規制
対象交差道路の交通規制は1晩のみ。下部工施工時でも現状の車線を確保でき、上部工桁ブロック架設時に側道の一時的な部分規制を要するのみ。
○組立用地が不要
本体構造の地組立て、大型搬送車等の組立・解体は工事用地内で可能。

【今後の展開】
都市部への建設投資の期待が高まるなか、立体交差整備市場への本格的参入を目指し、官公庁等への提案を行っていきます。

【本件に関する問い合わせ先】

 
株式会社宮地鐵工所
橋梁営業部担当 玉野・菊地
TEL.03-3639-2260
E-mail:tokyo@miyaji-iron.com
 
東急建設株式会社
経営企画室 井上・下原
TEL.03-5466-5005
E-mail:webmaster@tokyu-cnst.co.jp
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