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タイル打込み可能な2タイプのPCa(プレキャスト)型外断熱工法を開発
― コンクリート外皮の採用により外装仕上げの自由度を確保 ―
2003.01.01

東急建設株式会社
日本カイザー株式会社

 東急建設株式会社(東京都渋谷区 社長:落合和雄)と日本カイザー株式会社(東京都渋谷区 社長:飛嶋康文)は、フルPCa、ハーフPCaの2タイプのタイル打込み可能な外断熱工法(特許出願中)を共同で開発し、一昨年(平成13年)夏に完成した実物件において1年以上にわたる観測の結果、高い省エネルギー効果を確認できたことから、このほど本格的な普及展開を図ることにしました。

【開発の背景】
 近年注目を集めている外断熱工法は、建物内部の省エネルギー化による地球温暖化の抑制など環境保全への効果だけでなく、建物の耐久性向上、結露によるカビの発生防止など多くの利点により、LCC(ライフサイクルコスト)の低減と快適な住環境の提供が可能な技術として、社会的ニーズが一層高まりつつあります。
 しかし、従来の外断熱工法では、断熱材の外皮部分を保持する強度上の問題から、外装にはパネルやシート状の比較的軽量なものしか採用できず、外装仕上げに高い耐久性とデザイン上の自由度を求める発注者や設計者の要望を実現することは困難でした。
 そこで、東急建設とPCa部材を製造する日本カイザーはそれぞれの保有技術を提供し、施工性や品質確保の観点からメリットのあるPCa工法をベースに、コンクリートによる外皮を可能にすることで外装仕上げの自由度を高め、躯体の耐久性向上に適した打込みタイルが可能となるPCa型外断熱工法の開発に取り組んできました。

【概 要】
 PCa型外断熱の基本構成は、カイザートラス筋(日本カイザー鰍フ商品名:以下 トラス筋)を打込んだ厚さ約75mmのタイル打込み薄肉PCa板(外皮側)の表面に、通気層を確保する樹脂マット、次に断熱材の順番で取り付けます。
 フルPCa工法の場合は、引き続き工場において内皮側のPCa板のコンクリートを打設することによって一体化します(図1)。このフルPCa板を現場に搬送し、PCaカーテンウォール工法と同様に外壁として取り付けます。
 ハーフPCa工法の場合は、断熱材を取り付けた状態のPCa板を現場に搬送し、揚重機でコンクリートの外側型枠として建込み、構造躯体の配筋と室内側の型枠工事を行い、生コンクリートを打設することによって構造躯体と一体化させる構成となります(図2)。
 外皮のPCa板と内皮(ハーフPCa工法の場合は構造躯体)を繋ぐのは樹脂マットと断熱材を貫通するシングルタイプのトラス筋であり、防錆処理した特殊トラス筋によって外皮のPCa板を保持します。
【特 長】
 東急建設技術研究所の人工気象室における実験では、冬期(内外気温差25℃)、夏期(内外気温差32℃)の条件下で、フルPCaパネル断面の定常状態温度分布(温度勾配)の把握を行うとともに、PCaパネルに打込まれたトラス筋の熱橋*の影響を計測しました。その結果、トラス筋による熱橋はごくわずか(内皮側パネルのトラス筋の有無による表面温度差は1℃未満)で断熱性能上懸念されるものではなく、断熱材を貫通して外皮のPCa板を保持する冶具としてのトラス筋の有効性が確認され、コンクリート外皮の採用により外装仕上げの自由度が高く、かつ高機能な工法であることが立証されました。
*鉄やコンクリートなど熱を非常に伝えやすい材料が内部と外部で繋がって「熱橋(ヒートブリッジ)」となり熱が集中して流れる部位
 また、フルPCa工法を採用して一昨年(平成13年)8月に竣工した戸建住宅(神奈川県川崎市)において1年以上にわたり建物全体の熱損失量、エネルギー消費量などを測定した結果、コンクリートの蓄熱や外壁の断熱性能に十分な効果があることが確認されており、床面積当たりのエネルギー消費量では戸建住宅の全国平均値より約35%削減されていることを実証しています。
 
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 このPCa型外断熱工法により、従来は躯体工事後に仕上げ工事として行われていた外断熱工事や外装仕上げ工事を躯体工事と同時に施工することができるため、外断熱施工や外装仕上げに要した工期の短縮および足場の軽減が可能となり、施工コスト全体を削減することができます。また、タイル打込み仕上げとしても、従来の外断熱工法におけるタイル張り仕様と同等以下のコストを実現することができました。

【今後の展開】
 東急建設では、昨年(平成14年)8月に東京都豊島区においてもハーフPCa工法による集合住宅(地上3階、総戸数7戸/写真)を完成させ、本格的な外断熱集合住宅の市場参入を図っています。今後両社は開発成果、施工実績を踏まえて、住宅以外にもオフィスビルや病院、公共施設などへの積極的な展開を目指す予定です。

 
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【本件に関する問い合わせ先】

東急建設株式会社 経営企画室 井上・下原 TEL.03-5466-5005 E-mail:webmaster@tokyu-cnst.co.jp
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