東急建設株式会社では、利益創出手段としてのIT活用の一環として、業務用コンピュータシステムの抜本的改革を行っており、平成15年4月にすべてのコンピュータシステムの再構築を完了する予定です。また、これに先立ち全従業員の業務用パソコンおよび社内ネットワークを刷新いたしました。
これらの施策により、当社はブロードバンドを軸とする高度情報化社会への対応を業界に先駆けて完了するとともに、厳しさを増す建設業界の再編淘汰に勝ち残るため、アグレッシブに取り組む姿勢を鮮明に打ち出してまいります。
1. 社内情報基盤の再構築に至る経緯
当社は、平成12年度よりコンピュータ関連業務を
1) システム関連業務
2) ハードウェア・ネットワーク
3) 業務アプリケーション
の3つのフェーズに分け、抜本的な見直しを検討してきました。
1) システム関連業務
一企業で情報システム関連業務のすべてを行うのは既に限界であるとの認識に立ち、業務を社内に残す機能と外部委託する機能に分け、ヘルプデスク・サーバ及びネットワーク監視・アセット(パソコン資産)管理について外部委託することにしました。このことにより、年間400箇所を超える事業所の開閉設に伴う情報機器の設置・移動、パソコン・プリンターなど5,000台を超える機器のメンテナンス等、これまで運用することに忙殺され重荷となっていた業務を専業者に委託することで、サービスレベルの向上と経営資源の集中を図ります。
2) ハードウェア・ネットワーク
役員・従業員全員に一人1台のパソコンを会社が貸与するという形態をとり、平成13年10月から翌14年5月にかけて、実質7ヶ月間で全数3,600台の入れ替えを行いました。これにより目標管理・人事評価などの社員個人が関係するすべての業務の標準がコンピュータを中心としたものとなります。併せて、プリンター800台の入れ替えも同時に行い、社内諸業務のIT化を加速します。
また、コンピュータ通信を利用した業務の増加に対応するため、社内ネットワークを本社〜支店間128Kbpsのフレームリレー方式から10Mbpsの広域LANサービスへ、本社〜作業所間を64Kbpsのデジタル回線から1.5MbpsのADSL回線に順次切り替えます。
3) 業務アプリケーション
当社は昭和40年代前半に業界に先駆けて大型汎用コンピュータを導入し、会計・原価管理・給与計算・機材管理・土地造成・構造計算等幅広い業務に使用してきましが、長年にわたり改良を続け複雑肥大化したシステムは、昨今の激変する環境に迅速に対応することが難しくなりました。そこで、大幅なBPR(ビジネス プロセス リエンジニアリング)を行いシンプルな業務プロセスを目指すとともに、すべてのコンピュータシステムの見直しを行いました。
費用効果(単位:百万円/年)
|
今般 |
従前 |
縮減額 |
縮減率 |
| パソコン費用 |
276 |
540 |
▲264 |
▲48.9% |
| サーバ費用 |
54 |
66 |
▲12 |
▲18.2% |
| 通信コスト |
66 |
150 |
▲84 |
▲56.0% |
| 計 |
396 |
756 |
▲360 |
▲47.6% |
2.業務用コンピュータシステムの抜本的改革
当社では、情報基盤の再構築の完了を受けて、業務用コンピュータシステムの抜本的な改革を行い、平成15年4月に一斉に本格稼動させる計画です。対象となるのは社内で使用されているすべての業務用コンピュータシステムで、現行の大型汎用コンピュータを利用した一括処理システムを複数のサーバによる統合処理システムに一新します。これにより平成15年度中に大型汎用コンピュータの廃止を予定しており、年間維持費用が200百万円以上削減される見込みです。
1) 基幹システム
会計・営業管理・土木原価・建築原価について、統合業務パッケージ(ERP)を採用し全体最適化を図ります。採用するパッケージは、日本電気株式会社(東京都港区 社長:西垣 浩司)製の建設業向け統合業務パッケージ「C-BARX(シー・バークス)」で、作業所における原価管理から管理部門における営業管理・管理会計・財務会計を一体の流れとして捉え、工事進行基準の全面適用などの将来的に求められる姿への対応、決算日程の大幅な短縮による早期開示の実現など、あるべき姿の具現化を行い、意思決定から事業運営への反映を迅速化することで経営スピードの向上を図ります。
また、機材管理には、富士通株式会社(東京都千代田区 社長:秋草 直之)の建設機材管理パッケージを、人事管理システムには、株式会社ワークスアプリケーションズ(東京都港区 CEO:牧野 正幸)の人事・給与パッケージ「COMPANY(カンパニー)」を採用致します。
これらのパッケージは、相互に連携し全体として統合化されたシステムを構成し、ERPは日本の建設業には向かないとの認識を覆し、業界として初めて事務系のすべての業務をERPにより実現します。
2) その他システム
その他に情報基盤の再構築に伴い、以下のシステムが稼動済または稼動予定です。
|
稼動開始 |
内容 |
| 情報検索システム |
平成13年10月 |
社内情報検索(大型汎用機より移植) |
| 営業支援システム |
平成14年 5月(一部) |
営業社員の情報支援 |
| 人事評価システム |
平成14年 6月 |
Webによる情報収集及び分析 |
| 作業所OCI※システム |
平成14年 8月(予定) |
作業所における情報管理 |
| 統合文書管理システム |
平成15年 1月(予定) |
電子決裁及び電子文書管理 |
| 土地造成システム |
平成15年 4月(予定) |
統合土地造成(大型汎用機より移植) |
| 建築積算システム |
平成15年 4月(予定) |
見積システム再構築 |
| 調達システム |
平成15年 4月(予定) |
調達システム再構築 |
*OCI:OPEN CONSTRUCTION INFORMATION SHARING(オープン コンストラクション インフォメーション シェアリング):東日本電信電話株式会社と当社で共同開発した建設業向け情報管理システム。電子調達部分は平成13年10月より稼動中で、現在の取引先は約350社です。