本工事では、通常のコンクリートでは行わない以下に示す品質管理を実施しています。
- 解体ガラのアルカリ骨材反応*1の目視及び一部試薬による検査
- 統計理論に基づく1日6回の頻度の骨材試験
- 骨材吸水率の迅速試験*2
- RI(ラジオアイソトープ)法*3による生コンクリートの単位水量の検査〔技術開発:(財)日本建築総合試験所〕
- 打設後10年間にわたる杭鉄筋の健全度モニタリング*4〔鉄筋健全度モニタリングの技術開発:(財)日本建築総合試験所〕
上記の品質管理手法は、既存の試験方法ではなく、本工事のために独自に開発されたもの及び最新の技術として開発された技術です。これらを導入することにより、再生粗骨材が製造される段階から構造体として供用された後までの一貫した品質管理を実践しました。
この工事では、約3,600トンの建設廃材が躯体として再利用されたことになります。
*1:アルカリ骨材反応を生じたガラを再生骨材として用いると、リサイクルコンクリートにも同様の反応が生じる可能性があります。解体ガラの検査はこれを水際で防ぐために実施します。
*2:表1にあるように、吸水率は再生骨材の品質を左右する指標です。工程管理上、この品質を1日で把握する必要があり、迅速試験を考案しました。
*3:RI法−生コンクリートに中性子線を照射することにより、コンクリートの品質に大きく影響する単位水量を測定する方法です。(財)日本建築総合試験において開発された技術で、中性子が水素によって減衰する性質を利用し、減衰する中性子の数から水量(コンクリートでは水素はほとんど水に存在する)を逆算します。
*4:鉄筋は腐食すると、その腐食度合いによって電気抵抗値が変化します。鉄筋に電流を定期的に流し、その抵抗値の変化を見ることにより、目視することのできない杭鉄筋の健全度合いを把握します。(財)日本建築総合試験所で開発された技術です。