近年、建物の内外にある様々な磁場発生源からの磁場によって、私たちの身近にある電気・電子機器、精密機器などが影響を受けることがあります。磁場発生源は、建物の外の広い範囲に磁場の影響を及ぼすものであったり、また建物内の設備機器であったりと原因は様々ですが、私たちの生活空間において磁場の影響を避ける必要がある場合には、建物の計画の段階から対策を講じることが有効といえます。しかしそのためには、各種の磁場発生源から発生する磁場の大きさや分布などをあらかじめ調べて予測したり、また予測した磁場によってどのような影響が考えられるかを、実験的に確認しておく必要があります。
今回、当実験施設に様々な磁場環境を再現することができる磁場発生実験装置群を整備することにより、環境磁場の影響を実験的に確認することができるようになりました。例えば、それぞれの環境下で使用する設備機器の磁場特性を調べたり、磁場障害の発生状況の確認やその対策技術の検討に活用したりすることができます。また、大型の設備機器について、環境磁場中に設置した場合の動作を機器の作動状態で確認する磁場特性試験を行ったり、長期間にわたり環境磁場にさらされる機器や試験対象物への磁場の影響を調べたりすることが可能です。さらに、これらの実験から得られたデータをもとに、建物の計画段階で、磁場の影響を受けないようにするための対策を設計に反映させることも可能となりました。
当実験施設には、磁場に影響を与えない建物(実験棟)があり、この内部で各種の設備機器などから発生する磁場分布を計測することができます。当実験施設の特長を生かした各方面からの施設利用の要望に対しても、広く対応していきたいと考えています。