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機能的電気刺激を応用した
建設ロボット遠隔操縦システムの開発に目途
1998.09.25

東急建設(株)は、秋田大学工学資源学部機械工学科(大日方五郎教授)と共同で、医学治療手法である機能的電気刺激*1(FES:Functional Electrical Stimulation)を建設ロボットの遠隔操縦装置に応用する技術に目途を付けました。

*1機能的電気刺激とは 「生体工学用語辞典:日本規格協会」より抜粋
機能的電気刺激の一般的な原理は、筋肉の収縮能力は保たれているが中枢神経からの運動指令が神経経路の障害で末梢神経に伝わらないために動作を起こすことができないような場合に、脳からの指令を外付けの回路を設けて筋肉に直接伝え、刺激することによって筋肉を収縮させ、動作を起こすように手助けしてやることである。



【開発の背景】

遠隔操縦の分野では現在、ロボットの作業の状況が手に取るように分かり、自分で直接その作業をしているかのような感覚を持ちながら操縦できる遠隔臨場環境の研究が進められています。この中で、操縦されるロボットが対象物と接触した感覚をオペレータにフィードバックして操作性を向上させる技術をバイラテラル制御と呼び、マスタ・スレーブマニピュレータの基本技術として使用されてきました。
この手法を用いると、対象物の柔らかさなど視覚情報では得られない情報がオペレータに伝わり操作の効率を高めることができます。しかし、ロボットが受けている反力をアクチュエータを用いてオペレータに伝える方法が取られているため、操作部の機構が大きく複雑になったり、オペレータが拘束されているような不快感を感じるなどの問題がありました。


【特徴】

本システムは、こうした問題点の解決策として神経麻痺者の筋肉運動再建に用いられている機能的電気刺激の技術をバイラテラル制御に応用した新しい方法で、オペレータの操作部は、通常のジョイスティックと筋肉を電気刺激するために皮膚表面に接触させた小さく柔軟な電極のみで構成されます。これにより、今までのバイラテラル制御における操作部の問題を解決し、反力をオペレータに容易に伝えることが可能となりました。
従来型からの改良点としては、
1.操作部(ジョイスティック)の改造を必要としない
2.特定機械の1対1(操縦側1に対し機械側1)対応ではなく複数の機械を操縦できる
3.力の出力を個人別に調整できるため最適な運転が可能となる
4.複数の筋への異なる刺激ができるため複雑な作業ロボットへの適用が可能
が、あげられます。


【概要】

パワーショベルの遠隔操縦を例にシステムの概要を説明します(システム構成図参照)。

オペレータが左右のジョイスティックを操作するとジョイスティック付属のポテンショメータにより電圧信号が発生します。このデータをパソコンに取り込み、サーボアンプを通して増幅し、パワーショベルのバケット、ブーム、アームのそれぞれの油圧シリンダをサーボ弁によって動作させます。

パワーショベルの各油圧シリンダにはストロークを検出する位置計測器が内蔵されており、位置信号を出力します。位置計測器で測定されたデータをパソコンに出力し、パソコンは、ジョイスティックとパワーショベルの位置偏差を演算し、刺激装置からパルス信号を発生させ、電極を介して筋に電気刺激を行います。

オペレータの意志とは関係なく、動かしたいと思う方向と反対方向に筋に力が発生して手首が動き、オペレータはこれを反力として感じることができます。

電極を貼る皮膚の場所は、バケットに対応する点は右手長橈側手根伸筋、アームに対応する点は左手長橈側手根伸筋、ブームに対応する点は右手尺側手根屈筋です。



【今後の展開】

東急建設では、この技術を被災地や災害防止工事に使用する建設機械の遠隔操縦時のヒューマンインターフェイスとして、今後さらにこの技術の研究開発を進める予定です。

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モニター画面、ジョイスティック、電極から構成される操作部

【本件に関する問い合わせ先】

 
東急建設株式会社
経営企画室広報担当 井上、下原
TEL.03-5466-5005
E-mail:webmaster@tokyu-cnst.co.jp

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