第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

 当社グループは、当連結会計年度が設立初年度であるため、前連結会計年度との対比の記載はしていない。また、平成15年10月1日付の会社分割による建設事業部門の承継後に営業を開始したため、一部の係数は6カ月間のものである。

 

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、依然として厳しい雇用・所得環境から個人消費が力強さを欠くなかで、堅調な輸出と設備投資を背景に期後半には生産が持ち直すなど、企業業績に改善の動きが広がり、緩やかな回復基調で推移した。

このような情勢下において(新)東急建設株式会社(当社、(旧)TCホールディングズ株式会社)は、(旧)東急建設株式会社(現 TCプロパティーズ株式会社)が平成15年3月に策定した新たな中期事業計画「新Profit計画」に基づき、平成15年10月1日を期日として実施した会社分割により、「東急建設」の商号と「企業理念・ビジョン」を承継し、また同日付で株式上場を行い、従来の「Profit計画」における基本戦略をさらに強化・推進し、企業価値の向上ならびに株主価値の最大化を図った。

当連結会計年度の業績は、売上高186,431百万円、営業利益8,176百万円、経常利益7,498百万円となった。また、平成15年10月1日付の会社分割による建設事業部門の承継に伴う営業権償却などを特別損失に計上し、法人税等調整額を加えた結果、当期純損失は38,530百万円となった。

 

@ 事業の種類別セグメントの業績

(建設事業)

建設業界においては、官公庁工事が財政の制約により一段と絞り込まれるなか、民間建設工事が製造業の生産施設を中心として増加に転じたものの、受注競争が激化するなど経営環境は厳しい状況で終始した。

受注高は154,883百万円、完成工事高は183,108百万円営業利益は9,922百万円となった。

 

(不動産事業等)

不動産事業等売上高は3,322百万円営業利益は96百万円となった。

 

A 所在地別セグメントの業績

  所在地別セグメント情報の記載を省略しているため、記載していない。

 

(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当連結会計年度の増加1,643百万円に、会社分割による承継やこれに伴う新規連結により16,948百万円が加算されたことにより、当連結会計年度末には18,652百万円となった。

 

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

   当連結会計年度において営業活動による資金収支は、売上債権の増加、未成工事受入金等の減少などの減少要因があったものの、税金等調整前当期純損失に営業権償却等の非資金項目の調整や仕入債務の増加、未成工事支出金の減少などの増加要因により、2,556百万円の資金増加となった。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

   当連結会計年度において投資活動による資金収支は、有価証券・投資有価証券の売却等や有形・無形固定資産の売却などにより、5,888百万円の資金増加となった。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

   当連結会計年度において財務活動による資金収支は、株式の発行などの増加要因があったものの、有利子負債の返済(削減)などにより、6,790百万円の資金減少となった。

   なお、有利子負債残高は36,083百万円となった。

 

 

 

 

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループが営んでいる建設事業及び不動産事業等では生産実績を定義することが困難であり、

建設事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐわない。

 また、子会社が営んでいる事業には、「受注」生産形態をとっていない事業もあるため、当該事業

においては生産実績及び受注実績を示すことはできない。

 よって生産、受注及び販売の状況については「1 業績等の概要」における各事業の種類別セグメ

ントの業績に関連付けて記載している。

なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりである。

提出会社は当事業年度が設立初年度であるため、前事業年度との対比の記載はしていない。

(1) 受注工事高、売上高、繰越工事高及び施工高

 

期別

種類別

分割承継繰越工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期売上高

(百万円)

次期繰越工事高

当期施工高

(百万円)

手持工事高

(百万円)

うち施工高

(%)

(百万円)

第1期

自 平成15年4月10日

至 平成16年3月31日

建築

182,929

117,388

300,318

132,257

168,061

13.7

22,941

122,230

土木

88,002

33,665

121,667

43,405

78,261

7.6

5,925

40,274

建設事業計

270,932

151,054

421,986

175,663

246,323

11.7

28,866

162,504

不動産事業等

3,332

合計

270,932

151,054

421,986

178,996

246,323

11.7

28,866

162,504

(注) 1.会社分割により承継した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工

  事高にその増減を含む。したがって、当期売上高にもかかる増減が含まれる。また、会社分割以前に外貨建で受注したもので、当期中の為替の変動により請負金額に変更のあるものについても同様の処理をしている。

2.次期繰越工事高のうち施工高は、手持工事高の工事進捗部分である。

 

(2) 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別される。

 

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第1期

(自 平成15年4月10日

至 平成16年3月31日)

建築工事

58.8

41.2

100

土木工事

13.8

86.2

100

(注) 百分比は請負金額比である。

 

(3) 売上高

@ 完成工事高

 

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

第1期

(自 平成15年4月10日

至 平成16年3月31日)

建築工事

14,656

117,601

132,257

土木工事

25,780

17,625

43,405

40,436

135,226

175,663

 

A 不動産事業等売上高

 

期別

区分

金額(百万円)

第1期

(自 平成15年4月10日

至 平成16年3月31日)

販売用土地売却収入

1,887

賃貸事業収入

261

その他の事業収入

1,183

3,332

 

(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

第1期の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの

東神開発

東京急行電鉄

新倉健次

鰍tFJ銀行

玉川高島屋ショッピングセンター南館増築工事

 

 

京成電鉄

ファインフルーク公津の杜新築工事

 

 

東急不動産

東京建物

三菱電機ライフサービス

住吉山手コモンズ新築工事

 

 

神戸市

アスタ新長田タワーズコート3番館(スカイマークタワー)

及びアスタくにづか3番館

 

 

三井不動産

東京急行電鉄

東急不動産

日本橋一丁目計画新築工事

 

 

 

2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりである(未

  引渡しの工事を除く)。

 

東京急行電鉄

  21,163百万円

  11.1%

 

(4) 手持工事高(平成16年3月31日現在)

 

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

建築工事

18,554

149,507

168,061

土木工事

50,289

27,972

78,261

68,843

177,479

246,323

(注) 手持工事のうち請負金額45億円以上の主なもの

泣Aール・エム・キャナル

東雲キャナルコート5街区新築工事

平成17年3月 完成予定

 

 

 

TCプロパティーズ

浜松町一丁目プロジェクト新築工事

平成16年9月 完成予定

 

 

 

中部国際空港

中部国際空港旅客ターミナルビル新築工事

平成16年9月 完成予定

 

 

 

東京急行電鉄

東急大井町線改良・延伸工事に伴う等々力駅

改良その1工事

平成18年3月 完成予定

 

 

 

福岡県

藤波ダム建設工事

平成22年3月 完成予定

 

3 【対処すべき課題】

当社は、平成15年4月にTCホールディングズ株式会社として設立し、同年10月1日に(旧)東急建設株式会社(現 TCプロパティーズ株式会社)の建設事業部門を商号と共に引き継ぎ、新たに東急建設株式会社としてスタートした。当社は(旧)東急建設の企業理念・企業ビジョンについても承継しており、2010年までに「投資家満足、顧客満足、社員満足の3つの指標で斯界の最高水準を実現する」という企業ビジョンの達成に向け、同社が取り組んできた中期事業計画「新Profit計画」(平成15〜17年度)を引き続き推進している。

平成16年度からは、「新Profit計画」における個別戦略をより具体的に構築していくための基本方針として『Town Value-up Management(タウン バリューアップ マネジメント)』を掲げている。これは「建物ひとつひとつではなく、お客様・生活者の視点で“まち”全体を考え、街の価値創造に貢献していく」という意味で、当社の成長の原点は多摩田園都市をはじめとする渋谷・東急沿線の街づくりであるが、営業・技術・施工が一体となり、企画提案から新築・リニューアル・建替えに至るまで街のライフサイクルに末永く関わっていくことによって、街としての価値を高めていこうとするものである。また、そのノウハウをもって、首都圏エリアから広く他の地域へもビジネス展開していく。

当社グループは、この『Town Value-up Management』を東急建設グループのブランドメッセージとして、建設市場への訴求を図っていく。

「新Profit計画」の概要は下記の通りである。

 

(1) 基本戦略

○ 環境の変化を先取りした建設事業の収益構造改革による企業再生(健全で自立した企業へ)

 

(2) 基本方針

○ キャッシュフロー経営のさらなる推進を図る

○ 建設業本業で企業価値の最大化を図る

○ 『Town Value-up Management』による東急建設ブランドの訴求(平成16年度より)

 

(3) 個別戦略

(エリア戦略)

○ 受注の70%を占める首都圏に経営資源を集中(地方、海外拠点の効率化を追求)

(営業戦略)

○ 利益の90%を占めるロイヤルカスタマー(優良顧客)に営業力を集中

(市場戦略)

○ 得意分野である鉄道工事に注力

○ マンション(老朽化マンションの建替を含む)、戸建てなど住環境創造事業に注力

○ 首都圏のリニューアル事業に注力

○ 都市再生事業の積極的推進

 

(4) 目標とする経営指標

○ 配当開始予定                  平成17年3月期の利益処分により

○ 売上高経常利益率                4.0%以上

○ 営業キャッシュフロー              計画3ヶ年平均100億円以上

○ インタレスト・カバレッジ・レシオ        15倍以上

○ 有利子負債のキャッシュ・フローに対する比率   1以下(国土交通省基準)

 

上記個別戦略を『Town Value-up Management』に基づいてより具体化するため、当社グループは平成16年度より下記のアクションを展開していく。

○ 都市再開発の推進、商店街活性化への提案

○ 周辺環境と調和したマンションの建設、老朽化マンション建替の推進

○ 新しいオフィス、商業ビルの建設

○ 建物の機能を向上させるリニューアル

○ 都市生活者の快適性向上を図る下水道、高速道路、鉄道等の建設、補修、改修

○ お客様の所有地の有効活用提案

 

当連結会計年度においては、完成工事高は計画値を下回ったものの、単体ベースの完成工事総利益率は計画値を若干上回る結果となり、「新Profit計画」の前段階から取り組んできた不採算工事の徹底排除やコストセンター設置等の収益力強化策が実を結びつつある。

しかしながら、財務基盤を将来的に安定したものとするためには、建設投資の先細りが予想される中にあってもお客様からの信頼を基盤に安定した受注量を確保し、本業である建設事業の収益力をさらに強化して、いかなる経営環境においても常に利益を確保できる強い体質の組織を作り上げていかなければならない。

そのため、当社グループは平成16年度からは以下の重点施策に注力していく。

 

○ 地域密着型、企画提案型の営業の強化による新規顧客の開拓およびロイヤルカスタマー化

○ お客さま、エンドユーザーの満足度を高める施工管理(工程管理、安全管理、品質管理、原価管理)の技術、ノウハウの共有化

○ 厳正な受注審査、正確な現況の把握、コンプライアンス等の徹底による内部掌握の強化

○ ISOをはじめとする各マネジメントシステムの充実とさらなる定着

4 【事業等のリスク】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

(1)事業等について

@ 建設市場について

建設市場の今後の動向については、国土交通省が平成16年6月に発表した建設投資の見通しによると、昨年来の景気回復基調から民間建設投資が前年度比2.0%のプラスと8年ぶりに増加に転じるものの、政府建設投資が同11.1%のマイナスで6年連続の大幅な減少が続くと見られることから、平成16年度の建設投資総額(名目)は前年度より3.6%縮小の51.9兆円と予測されており、平成15年度実績の53.9兆円からさらに3.6%縮小するとしている。

土木・建築別では、民間主体の建築投資が前年度より0.3%と僅かながら増えるのに対し、公共事業中心の土木投資は同8.1%と大きく減少するものと予測され、国や地方自治体の財政難から、今後も民間投資が急回復しない限りはこの傾向が続くものと見られている。

そうしたなか、当社グループは従来から首都圏の民間建築工事を強みとしており、官庁工事を主力とする他社と比較して相対的に優位な受注環境にある。特に、当事業年度におけるマンション工事の受注は対(旧)東急建設前年度比17.6%増と大幅に伸びており、平成16年度においても景気回復基調の継続や住宅ローン減税制度の延長などがプラス要因となり、前年度並みの発注量が見込める状況にある。

しかしながら、首都圏のマンションについては一部に供給過剰感も出始めており、需給バランスが崩れた場合には、業績に悪影響を与える可能性がある。

 

A 建設業界について

上記に記載のとおり、建設市場は縮小しているにも拘わらず、建設業者数は55万余(平成16年3月末現在)と依然高止まりしており、多すぎる事業者数を適正な水準まで削減することが業界の再生に不可欠と指摘されている。不良債権処理に絡んだ再編・淘汰の動きは一段落したが、政府が策定した「企業・産業再生に関する基本指針」をもとに国土交通省が定めた建設業独自の「再生基準」や導入が間近となった減損会計への対応など、建設業界を取り巻く環境は年々厳しさを増している。

そうしたなか、当社のような準大手・中堅ゼネコンの多くは、企業再生さらには勝ち残りをかけ、金融支援を背景に会社分割や経営統合などによる抜本的な改革を行っている。しかし、公共投資がさらに削減され、上向きつつある民間投資を巡って受注競争はより一層激化しており、信用力で優位に立つ大手ゼネコンといわゆる官公需法(中小企業者を保護するため国が官公需の一定量を確保することを定めた法律)によって優先的に公共工事を受注できる地場ゼネコンの間に挟まれ、営業面で難しい状況も予想され、業績に悪影響を与える可能性がある。

 

B 東京急行電鉄および東急グループとの関係について

東京急行電鉄株式会社は、平成16年3月末現在、当社株式の20.5%(議決権比率)を所有する筆頭株主であり、資本の上では同社の持分法適用会社になっている。

同社は、会社分割以前の(旧)東急建設(現:TCプロパティーズ梶jにおいても議決権の78.4%を所有する親会社であり、会社分割を柱とした「新Profit計画」の策定に協力いただき、また資本政策においては、当社が平成15年8月に実施した第三者割当増資に応じていただく等、会社分割後に健全な財務基盤のもとでスタートできるように力添えをいただいている。また、営業面では、同社をはじめとする東急グループ各社からの受注が毎年20%前後と堅調に推移しており、今後の事業計画においても同程度の受注を継続的に見込んでいる。

しかしながら、東急グループ各社から今後の工事発注が大幅に減少した場合は業績に悪影響を与える可能性がある。

 

参考:東急グループからの過去2年の受注実績、および今後の受注計画    (単位 億円)

 

平成14年度実績

平成15年度実績

平成16年度計画

受  注  高

2,629

2,810

2,650

内、東急グループからの受注高

537

670

550

構 成 比 率

20.5%

23.9%

20.8%

注)平成14年度は(旧)東急建設の実績、平成15年度は(旧)東急建設と(新)東急建設の

其々の実績を合計して表記

 

C 「東急」ブランドへの依存と使用許諾について

東京急行電鉄は、「東急」ブランドがもっとお客様から信頼され、選ばれるブランドにならなければならないとの考えから、平成16年度よりブランドマネジメントに取り組んでいる。それまでは曖昧であったブランドの意義を明確にするとともに、ブランドの所有者としての役割と権限のもと、東急グループ各社から使用料を徴収し、ブランド使用ライセンスを厳しく管理することにした。

(旧)東急建設では、昭和34年の会社設立当初より「東急」を社名に戴く企業としてのメリットを最大限に享受しながら事業を拡大しており、同社から昨年10月1日に建設事業を商号とともに引き継いだ当社も、「東急」の名に相応しい「東急建設」ブランドを確立させることを経営の基本方針に据え、ブランドの価値を生かした事業戦略のもとで企業再生と勝ち残りをめざしている。

しかしながら、ブランド使用ライセンスは毎年更新する必要があり、コンプライアンスやCSRの観点からも厳正な審査が行われた上で使用が許諾されるものであるため、仮に当社が何らかの理由でライセンスの更新ができなかった場合は、当社の事業戦略に重大な悪影響を及ぼすことになる。

また、当社に限らず、他のグループ各社においても社会的責任を問われる事態を招いた場合は「東急」ブランドそのものの信頼が失われ、当社の事業戦略にも深刻な悪影響を受ける可能性は否定できない。

 

(2)工事代金回収について

建設工事の受注に際しては、発注者の与信管理等を実施するほか、可能な限り工事代金を分割・先行して受領する等により、回収遅延等が発生しないよう対処しているが、経済変動、発注者の経営不振等から、請負代金の回収に支障を来たす可能性がある。このようなリスクに対して、当社グループは売掛債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上していたが、想定額以上の多額の請負代金が未回収となった場合には、当社グループの財務内容に重大な悪影響を与えないという保証はない。

 

(3)工事瑕疵等について

建設工事の施工に際しては、品質管理および品質保証に関する国際規格(ISO9001)に基づく品質管理等を徹底し、瑕疵発生の防止を図っているが、過去に施工した物件に瑕疵が発生する可能性は否定できない。このようなリスクに対して、当社グループは完成工事のかし担保等の費用に充てるため、過年度の実績率に基づく見込額を計上しているが、修補に想定額以上の多額の費用を要するような瑕疵が発生した場合には、当社グループの財務内容に重大な悪影響を与えないという保証はない。

 

(4)労働者、第三者等の災害または法令違反等について

当社グループは、商法、建設業法、労働関係法令その他関連法令を遵守するとともに、建設工事の施工に際しては、安全衛生環境マネジメントシステムに基づき労働者ならびに第三者災害の防止を図っているが、法令違反または事故の発生等の可能性は否定できず、重大な法令違反または重大災害等の発生により、当社グループが重大な悪影響を受けないという保証はない。

 

(5)保有不動産について

当社グループが保有する不動産は、平成15年10月1日の(旧)東急建設の会社分割による建設事業承継時に承継したものである。承継時には外部機関に鑑定を依頼し、原則として平成15年7月を評価時点とする鑑定評価による時価で承継している。

このため、当事業年度から固定資産の減損会計を早期適用し、減損の兆候の有無を検証し、兆候のあるものについてはその回収可能価額を検討した結果、減損損失を計上すべき資産はなかった。

しかし、土壌汚染等を含む将来の地価の下落を織り込んだものではないため、今後の地価動向等により減損損失が発生しない保証はない。

また、販売用不動産についても内規に定める基準により評価を行っているが、同様に将来の地価の下落を織り込んだものではないため、今後の地価動向等により評価損が発生しない保証はない。

 

(6)繰延税金資産について

繰延税金資産の計上に関しては、公正な会計基準に則り厳正に対応している。しかし、今後の受注高、完成工事総利益の確保が困難な状況となり、利益計画より大幅な乖離が発生した場合には繰延税金資産の取崩しが発生するリスクが存在し、当社グループの財務内容に重大な悪影響を与えないという保証はない。

 

(7)訴訟等について

当社グループは、国内および海外における事業活動により、訴訟、紛争その他の法的手続等の対象となることがあるが、かかる法的手続等は多くの不確定要素により左右されるため、その結果を予測することは難しい。

このような状況下において、連結財務諸表の注記に偶発債務として記載すべき事項は、現段階においては存在しないが、かかる法的手続等が将来の当社グループの財務内容に悪影響を与えないという保証はない。

なお、当社グループが対象となっている訴訟やその他の法的手続等にかかる請求のうち、重要なものは以下のとおりである。

 

 工事瑕疵を原因とする損害賠償請求

当社は、発注者より、当社を代表者とする共同企業体が施工した建物(施工建物の新築工事請負代金額約8億50百万円)の瑕疵を原因として、共同企業体構成員である当社他2社に対して、当初の請負代金額を大幅に越える補修費用等の支払を求める仲裁手続き(中央建設工事紛争審査会)を受けている。

個別具体的な瑕疵の内容、程度は仲裁申請書において明確にされておらず、また、瑕疵の有無、補修の要否ならびに補修費用等の妥当性が、当社において合理的に判断できないことから、これを争っているが、本件手続は初期段階にあり、また多くの事実関係、法律関係に左右されるものであることから、現時点において本件手続の結果を予測することは困難である。

したがって、本件手続により当社が重大な悪影響を受けないという保証はない。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、平成15年5月27日に開催の取締役会において決議され、平成15年6月24日開催の臨時株主総会において承認された「分割契約書」に基づき、平成15年10月1日をもってTCプロパティーズ株式会社(旧 東急建設株式会社、以下(旧)東急建設という)より建設事業を商号とともに承継する吸収分割を行った。

なお、会社分割の概要は次のとおりである。

 

(1) 会社分割の目的

(旧)東急建設の営む建設事業を商号とともに承継するため。

 

(2) 会社分割の方法

当社を承継会社、(旧)東急建設を分割会社として、同社の営む建設事業を商号とともに承継し、これに伴い発行される当社株式を同社株主に割当てる分割型吸収分割とする。

 

(3) 分割期日

平成15年10月1日

 

(4) 分割に際して発行する株式及び割当

当社は本分割に際して、普通株式196,250,000株を発行し、平成15年9月30日の(旧)東急建設の最終の株主名簿(実質株主名簿を含む)に記載された株主(実質株主を含む)に対して、その所有する(旧)東急建設の普通株式1株につき、当社の発行株式0.25株の割合をもって割当交付した。

(旧)東急建設において既に発行済の後配株式を所有する株主及び(旧)東急建設において既に発行済の優先株式を所有する株主に対しては割当交付を行わない。

 

(5) 増資

当社及び(旧)東急建設は各々以下のとおり増資を行なった。

 @ 当社

   普通株式   36,993,000,000円

   A種優先株式 13,500,000,000円

   B種優先株式  6,250,000,000円

 A (旧)東急建設

   甲種優先株式 40,000,000,000円

   乙種優先株式 40,000,000,000円

 

(6) 当社の資本金等の額に関する事項

(新)東急建設の平成15年10月1日における資本金及び資本準備金の額は次のとおりとなった。

 @ 資本金    28,401,500,000円

 A 資本準備金  35,401,500,000円

   (商法第288条ノ2第1項第3号 ノ3の超過額7,000,000,000円を含む)

 

(7) 当社が(旧)東急建設から承継する権利義務に関する事項

当社は、分割契約書に別段の定めがあるものを除き、(旧)東急建設から建設事業に関する一切の営業に属する資産、負債その他これに付随する権利義務ならびに契約上の地位を承継した。なお、承継する資産及び負債は、原則として平成15年3月31日現在の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎とし、当社はこれに分割期日の前日までの増減を加除した本件営業に属する資産、負債、その他の権利義務を、分割期日において承継した。本会社分割の確定に伴う承継資産および負債の額等は、次のとおりである。

 @ 承継した資産    246,198百万円

 A 承継した負債    239,198百万円

 B 増加した資本剰余金  7,000百万円

6 【研究開発活動】

[建設事業]

研究開発活動については、受注確保と施工品質向上のため、集合住宅建設技術や都市型鉄道整備技術、環境技術等の建築、土木部門の基幹技術を重点的に実施している。併せて技能工不足、施工の安全性向上のための施工合理化、機械化技術に関する研究開発、既存ストックの長寿化を促進する調査、診断、補修、補強、監視を含む維持管理技術に関する研究開発、土壌、地下水浄化や建設副産物のリサイクル、さらには屋上緑化等の環境技術の開発、普及等に取り組んでいる。また、当社は東急グループの中核企業として関連企業のノウハウや機能を効率的に結びつけ、ITによるネットワーク対応マンションをはじめ、ソフト、ハードにわたり企画、技術提案力の向上に努めている。また、当社独自の企画、設計、施工による省エネ型環境共生住宅を竣功させ、これからの住宅のあり方を具体的に提案している。さらに、大学、公共研究機関、関連企業等との共同研究を進め、研究開発の効率を高めている。

当連結会計年度における研究開発費は、465百万円である。

 

主な研究開発成果は次のとおりである。

 

(1)ストックマネジメントシステム、土木構造物補修技術の開発

鉄道、トンネルなど社会資本ストックの維持管理を支援するために、施設の構造データ、安全・点検データ等の膨大な情報を保存、分析する維持管理システムを開発している。また、トンネル背面の空洞充填、コンクリート構造物の吹付補修や高圧注入止水等の補修技術を開発し、施工指針の策定、鉄道企業との共同研究による営業線での試験施工など施工実績をあげている。

(2)インターロッキング配筋型橋脚

鉄筋コンクリート橋脚の横拘束筋の合理化により、施工性及び経済性を向上させる工法として、日本道路公団試験研究所と共同で実用化を図った。本工法は道路橋示方書にも紹介されており、営業展開を実施している。現在施工中の物件も含め、2件の施工実績を有する。さらに、独立行政法人土木研究所と共同研究を実施しており、用途拡大を図る。

(3)土壌、地下水汚染対策技術

土壌汚染対策法が施行され、当社の営業対象、受注物件でも土壌、地下水汚染に係わる対応が急増している。このため調査、対策の実務体制を整備した。また、調査、対策技術として、簡易サンプリング技術、難揮発性有機化合物汚染水の浄化技術、土壌洗浄技術等の開発を進めている。

(4)廃棄物処分場

近年、廃棄物処分場不足が顕著となり、処分場新設が急務となってきている。受注増加に向けた研究開発として、廃棄物処分場における浸出水漏水検知方法として光ファイバを用いた検知システム、廃棄物処分場計画地に最適な遮水構造を開発している。また処分場の安定化促進に関する研究を行っている。

(5)高機能住宅実験施設の建設及び実験施設における外断熱、高性能床等の実証実験

当社の主力分野である集合住宅の提案力の向上や他ゼネコンとの差別化を目指し、快適性と省エネ性を同時に推進する住宅の実証実験の場として当社技術研究所に総合実験棟を建設し、迅速なる研究開発と商品化を進めている。

(6)現場コンクリートの品質向上、高強度コンクリート、再生骨材コンクリートに関する研究

電子レンジ法による単位水量の管理の厳格化を進めるとともに、コンクリートマニュアルの改定を行い、現場コンクリートの品質向上を図っている。

再生骨材コンクリートの構造体(杭、耐圧盤、基礎、基礎梁)利用については、生コン業者と共同で大臣認定を取得し、再生コンクリートを一般的に供給する体制を整えた。

(7)高次診断、改修提案支援システムの開発

建物診断システムを当社ホームページ上に公開し、簡単な建物診断が誰でもできるようにした。また、仕上げタイルの剥離や欠損の枚数が認識できる外壁診断システムを開発し、今後、受注の拡大を目指している。さらに、外壁診断システムと積算システムとの連係を図り、見積業務の精度及び速度向上を進めた改修提案システムも確立させた。

(8)雨水貯留浸透施設、緑化技術の実用化

雨水を地下に貯留して有効利用を図るアクアトラップは、技術認定・技術開発賞等を取得し、最近は車両工場の洗浄用水施設など新分野での採用、実施料収入の増大等の実績をあげており、さらに市場の拡大を図っている。また、当社の屋上緑化技術は、リサイクル材を用いた生物にやさしい環境技術として国土交通省のグリーン調達品に指定され、今後の市場拡大を図っている。

(9)基礎VE設計システムの開発

杭断面設計システムの改良を進め、地盤の非線形性を考慮した、建物−全杭の一貫計算を可能とした。また、現場施工へのVE提案力向上を目指し社内ネットワーク対応型の計測管理システムの構築を完了し、7物件に適用した。

(10)トレイ開閉式廃棄物シュータ

病院や老人介護施設の各階で発生するごみ袋に詰められた使用済みオムツを、複数の開閉式トレイ(受け皿)で落下衝撃を低減させながら連続的に排出する『トレイ開閉式廃棄物シュータ』を開発、病院施設に導入した。

(11)壁面作業自動化技術(外壁タイル診断)

外壁リニューアル工事の事前調査用として「外壁タイル診断装置」を開発した。打音または擦過音によりタイル等の浮きを調査すると共にタイル等の割れを映像として記録する装置であり、都内のオフィスビルの診断へ適用した。

 

 

 なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われていない。

 

[不動産事業等]

 研究開発活動は、特段行われていない。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務等の記載並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り等を行っている。具体的には、固定資産、工事未払金、貸倒引当金、完成工事補償引当金、賞与引当金、退職給付引当金、繰延税金資産、偶発事象や訴訟等であり、これらに関し、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づいた見積り及び判断に対して、継続して評価を行なっている。しかし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。

 

(2)業績報告

@ 当連結会計年度の概況

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおり。

 

A 「新Profit計画」の進捗状況

「新Profit計画」(平成15〜17年度)における基本方針には、

 

a. (旧)東急建設の会社分割による建設事業部門の承継と同時に東京証券取引所への新規上場を果たす

b. キャッシュフロー経営の更なる推進を図る

c. 建設業本業で企業価値の最大化を図る

 

の3つをあげている。

a.については、東京証券取引所が会社分割を伴う企業再生計画を支援する目的で昨年5月に導入した「テクニカル上場」制度の適用を受けたこともあり、計画当初は懸念していた分割期日での1部上場を果たすことができた。

b.については、(旧)東急建設において会社分割前に工事代の入金が予定より早まったこと、また、工事代金に関して取下条件の良い官庁工事が減少したことなどにより、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2,556百万円となった。

c.については、当連結会計年度においては、上場後の株価の上昇により時価総額が主要ゼネコンの中でも上位にランクされたことがあげられる。これは、会社分割による企業再生スキーム、すなわち、分割型吸収分割方式により(旧)東急建設から建設事業のみを資本関係のない当社が承継したことで、不動産事業という異なるリスクが内在する事業を分離することができたこと。また、事業資産についても時価で引き継いだことにより含み損が一掃され、減損会計にも適応した財務状況となったことなどが市場に評価されたものと考えられる。一時期、当社の本業に対する評価とは異なる株式市場の構造的な要因により株価が大きく値を上げたこともあったが、沈静化した現在においても主要ゼネコンの中では高い水準を維持しており、当社に対する評価と期待の表れと受けとめている。

 

B 建設事業

当連結会計年度における受注高は154,883百万円、完成工事高は183,108百万円営業利益は9,922百万円となっている。

なお、建設事業の状況分析については、前事業年度の(旧)東急建設と実質的比較を行う観点から、以下の数値は(旧)東急建設の上期個別完成工事高と(新)東急建設の通期個別完成工事高を合計した「みなし通期」で示している。

 

a. 完成工事高(個別)

 当事業年度における当社個別の完成工事高は、対前年度比35億円増加の364,689百万円となっている。ただし、当社は当事業年度より完成工事高の計上基準として工事進行基準(工期が1年以内の工事については工事完成基準)を採用しており、従来の方法によった場合と比べて完成工事高が75,969百万円増加し、完成工事総利益が6,184百万円増加している。なお、このうち過年度施工に係わる完成工事高は32,631百万円、完成工事総利益は639百万円である。

 

 

 

 

平成16年3月期

平成15年3月期

増減率

 

完成工事高

 

364,689百万円

361,123百万円

1.0%

 

完成工事総利益

 

24,187百万円

24,670百万円

△2.0%

 

 工事分類別では、建築工事においては住宅(マンション、戸建て、社宅等)が対前年度比9.6ポイント増の53.0%と大幅に伸びている。土木工事では鉄道(軌道、停車場等)が26.0%で同7.0ポイントの減少となっているが、過去数年においても25〜30%前後と安定した比率を維持している。

 

b. 完成工事総利益率(個別)

 完成工事総利益は対前年度比483百万円の減少の24,187百万円であり、利益率の比較的高い土木工事の完成工事高が減少したため減益となっている。完成工事総利益率は6.6%で同0.2ポイント低下しているが、「新Profit計画」との対比では、建築工事の利益率改善により0.2ポイント改善した。また、昨年10月からの(新)東急建設に限ってみれば、8.6%まで改善している。これは、購買部門によるミニマムコストの実現と見積精度の向上に加え、低採算の大型工事の竣工が上半期でほぼ一掃されたことが寄与している。

 

c. 受注高(個別)

 受注高は281,094百万円で、前期比18,174百万円、6.9%の増加となり堅調に推移した。特に、鉄道関連工事の受注増や大型マンション工事の受注などにより、民間工事の受注が前期比10.5%の増加となっている。

 

(発注者別)

 中央官庁からの受注が対前年度比7.1%増と好転したものの、地方自治体からの受注が同17.8%減少し、官庁工事の受注額合計では5.7%減少した。その一方で東急グループを除く民間受注が同5.4%増、東急グループからの受注が同24.7%増と大きな伸びを示し、官庁工事の落ち込みを民間工事で補っていることになる。なお、従来より受注高全体に占める東急グループ発注工事の割合は毎年20%前後で推移しており、当事業年度については23.9%となっている。

 

(工事種別)

 土木・建築の工事種別で見ると、大規模造成工事が需要期を過ぎて一段落したことや大型公共事業の減少などを受け、土木工事の受注高は金額ベースで若干増加したものの、構成比では前年度の24.5%から23.1%へと下げている。公共事業の減少は当面続き、また、鉄道新線の建設も一段落することから、この傾向は当面続くものと考えている。

 

(工事分類別)

 建築工事は対前年度比9.0%増であり、土木工事との相対的割合はここ数年増加傾向にある。内容ではマンション以外の建築工事が3.5%増であるのに対し、マンション工事は同17.6%増と大幅に伸びている。建築工事全体に占めるマンション工事の割合も41.2%となり、構成比でも金額ベースでも存在感の大きさを示す結果となっている。また、リニューアル工事の受注高は261億円であり、対前年度比10.0%増と高い伸びを示している。

 土木工事については鉄道工事が33.0%を占めており、対前年度比9.4%増と相変わらず高い水準を維持している。これは、その他の関係会社である東京急行電鉄鰍フ鉄道事業に関する設備投資が毎年堅調に推移しているのに加え、他の民間鉄道路線の高架化など都市交通の機能強化を図る事業の推進が寄与しており、官庁土木の減少を補う形になっている。

 

(エリア別)

 首都圏と地方を比較してみると、関東地方1都6県を主なテリトリーとする首都圏本部と都市開発本部の合計は対前年度比10.4%増加しており、同じく首都圏エリアをテリトリーとする住宅本部も同17.1%増と大幅に伸びている。一方、地方支店全体では同4.3%の減少となり、地方経済の冷え込みと建設投資の首都圏集中の傾向が続いている。

 

C 不動産事業

 (新)東急建設における不動産事業等売上高は3,322百万円営業利益は96百万円となっている。主な内容は、発注者に対する事業用地の斡旋販売およびマンション建替事業に伴う当社保有床の販売等である。

 

D 特別損失(連結)

 特別損失は68,984百万円を計上したが、内訳は会社分割により認識・計上した営業権一括償却等の68,115百万円と、昨年12月に実施した特別退職等に伴う割増退職金847百万円が主なものである。

 

E 当期純損失(連結)

 税金等調整前当期純損失は、60,840百万円であるが、特別損失に計上した営業権一括償却等に係る繰延税金資産を計上したため、法人税等調整額等を加減算した当期純損失は38,530百万円となった。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

@ キャッシュ・フロー

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり。

 

A 資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に要する外注費等の工事費の支払や人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものである。

 

B 財務政策

当社グループは現在、運転資金については内部資金または銀行からの借入による資金調達を一般的としているが、期末には全て返済しているため、連結貸借対照表に記載の短期借入金は全て返済期限が1年以内の長期借入金からの振替である。

また、(旧)東急建設株式会社から承継した長期性資金については、承継前のTCホールディングズが行った第三者割当増資による収入を返済に充当し、残高については金融機関13社によるシンジケートローンとすることで長期資金運営の安定性を確保している。これにより、平成16年3月31日現在の長期借入金残高は36,083百万円(返済期限1年以内の短期借入金6,000百万円含む)となった。

なお、当社グループは「新Profit計画」において「キャッシュフロー経営のさらなる推進を図る」ことを掲げており、計画に沿った長期借入金残高の削減を進めるとともに、健全な財務体質の実現に向けて努力する所存である。

 

(4)戦略的現状と見通し

 当社グループは、これらの状況を踏まえて「新Profit計画」をさらに推進し、環境の変化を先取りした収益構造改革を実現することで、健全で自立した企業への再生をめざしていく。

 平成16年度の市場環境については、公共投資が減り続けるなかで地方自治体の工事量がさらに低下し、一方で民間投資はマンション工事以外の製造業においても回復基調にあり、市場規模のさらなる縮小は避けられないものの、傾向としては官庁、地方、土木が減少し、民間、首都圏、建築の占める割合が相対的に高まっている。これは、従来から首都圏中心に事業を展開し、マンション工事を筆頭に民間建築のウエイトが高い当社グループにとっては、比較的優位な受注環境といえる。