環境報告書
2000年11月

はじめに

環境問題への関心がますます高まる中、積極的な環境問題への対応が重要課題となってきています。弊社は、1998年11月から環境報告書を作成、発行しております。
本年も引続き取組んできた項目の推移状況を中心とし、併せて実際の施工へ展開した開発技術や設計時の取組み、環境マネジメントシステムへの取組みについても報告します。

建設業を取り巻く厳しい経済環境の中で、弊社も例外なくその荒波にもまれております。しかし、このような中においても地球環境の悪化は待ったなしで進んでいるのが現状だと言えます。環境問題への取組みのひとつとして、弊社でも環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の認証を1999年9月に技術研究所で、2000年3月に本社・東京支店で取得しました。このシステムを有効に運用して、理想論ではなく、まず私達のできることから取組みをはじめ、具体的な成果を一つ一つ積み重ねることで環境保全に貢献することを考えております。
弊社は、この考え方を基本におき、今後も環境問題に取組み、環境保全活動を継続的に実施し、より良い環境の創造に努めてまいります。

東急建設株式会社
取締役社長
井原 國芳


  目次  


環境保全活動への取組み

環境憲章は、1997年7月に定められ基本理念と行動指針の二つで構成されています。

 
環境憲章
 

 
基本理念
東急建設は、快適な地球環境の保全に全力をあげて努める。

弊社は、「豊かな人間環境づくりを通じて社会に貢献し生きがいある社員集団として常に発展する」ことを社是として、生活環境の整備に重点を置いて事業を行ってまいりました。しかし、社会の環境問題への関心の高まりを十分に認識して、これまで以上に、より広い視点に立って対応しなければなりません。そこで、弊社は建設廃棄物の発生抑制と再利用、省エネルギー、省資源などに努め、今後も環境の継続的な改善を実施していきます。


 
行動指針
環境に配慮した建設事業活動を展開するために次の4つの行動指針を定めて実践する。
 
省エネルギー・省資源・リサイクルの推進
建設廃棄物の減量化・リサイクルや自然エネルギー、未利用エネルギーの有効利用を目指します。
 
教育・啓蒙と広報活動の推進
社員に対する環境教育を実施して社員の環境に対する意識改革を促し、環境保全活動の重要性と意義を周知徹底させます。
また、弊社の環境に対する取り組みを社外に公表していくことを目指します。
 
社会との協調
地域の環境保全活動や学協会活動への参加を通して社会に対する責任を果たしていくことを目指します。
 
技術開発の推進
環境保全に関わるハード技術の開発や環境影響評価技術手法、環境管理手法などのソフト技術の開発を積極的に行い、環境保全に役立てることを目指します。


1.環境管理体制

 
全社で効果的な環境保全活動に取組むため、これまで環境政策に関する基本事項は1997年4月に設置した委員会組織で協議・決定してきました。99年度は、9月に技術研究所、2000年3月に本社・東京支店でISO14001の認証を取得し、さらに2000年4月から全支店展開への準備を行うなかで、環境マネジメントシステムの中の環境管理会議でこれらを引き継いでいくこととしました。

 
(1)体制
 

 
(2)環境マネジメントシステムの導入・運用

環境マネジメントシステムの導入・運用は、1999年4月より技術研究所で開始し、同年9月に株式会社マネジメントシステム評価センターよりISO14001の認証を取得いたしました。また、本社及び東京支店を対象とした本格的な導入・運用は1999年7月からの導入準備を経て、9月に社長による導入宣言、システム上の経営者である副社長による環境方針の制定を受け、10月から運用を開始し、2000年3月に技術研究所と同じ審査機関より認証を取得いたしました。全店への展開は、2000年度から実施し、2001年3月には全店を一体とした拡大認証を取得するよう取組みを行っていきます。

弊社の環境マネジメントシステム運用における階層構造は、下図に示すようなもので、部門で集中的に整備し、各内勤部署・作業所で保全活動を実行するようになっています。

 

 

 
(3)環境方針

環境保全活動に取組むにあたり、当社の環境憲章、著しい環境側面などを考慮して以下の環境方針を1999年9月1日に定めています。

 

 
(4)環境目標及び実施結果

1999年度(99年10月より)に本社・東京支店で取組んだ環境目標と実施結果は以下の通りです。

 
項目
実施目標
実施部門
実施結果
環境マネジメントシステムの導入・運用
本社及び東京支店に導入、認証取得
当社
認証取得(3/22)
環境に対する取組みの水平展開
@環境発表会創設の周知
A開催要領の作成
当社
@社内報4月号掲載済
A3月末完了
建設副産物の
発生
@分別率21%(重量比)以上
Aマニュフェスト管理の100%実施

B設計時の配慮事項の検討

@東京支店
A東京支店
 機械技術
B建築設計
 土木設計
@67.7%(*1)
A100%管理済み

B検討済み

騒音・振動
@提案方法リストの整備
A苦情実態の把握
@建築技術
A東京支店
@完了
A完了

省資源化
@熱帯材型枠:
 a)98年度基準で3%削減
 b)予定使用量より2%削減
A長寿命材料使用の提案方法の検討
Bリサイクル材・無公害材料の調査・リスト作成
C紙:98年度基準で使用量4%削減(オフィス)
@
 a)建築設計
 b)東京支店
A建築技術
B土木設計

C全部門
@
a)16.7%削減(3物件で実施)
b)23.9%削減(*1)
A作成完了
B作成済み

C577.9枚人/月(基準467枚)23.7%増加

省エネルギー
@省エネ法該当建築物の60%以上を法規制値の97%とする。
A提案方法リストの整備
B電力使用量:98年度基準5%減(オフィス)
@建築設計

A建築技術
B全部門
@該当1物件中1物件(100%)規制値の97%達成
A作成完了
B134.5kwh人/月(基準値116.8kwh)15.2%増

*1):環境マネジメントシステム実施対象現場の集計値

 
環境目標として掲げた項目のうち、オフィス内での紙、電力の削減の取組みについては、前年度比で増加となりました。
紙の増加原因は、99年度の組織再編・人員削減等により業務量がほとんど変わらないにもかかわらず人員数が減ったこと、が考えられます。
また、電力については、99年度に別ビルに分散していた組織(土木・情報システム)が、本社所在のビル内に統合、東京支店が本社ビル内に設置されたことで、本社(渋谷地下鉄ビル)での電力の使用量が全体で大幅に増加することになりました。
しかし、目標に取上げた事項の中で、組織再編等があったにせよ、目標値を達成できなかったことは、まだ環境保全に対する意識が定着していないことの表れであるものと考えられること、また、目標設定に当たって基準値の把握が実態を反映していなかったことも反省材料として上げられ、次年度での取組みとして目標を達成するため、よりきめの細かい管理を行ないます。

2.省エネルギー・省資源・リサイクルの推進

 2.1 省エネルギー・省資源
 

(1)熱帯材合板型枠の使用削減

弊社では、熱帯材合板の削減に向けて取組んでいます。1995年から建築、97年からは土木も含めデータの把握を行っています。1999年度の型枠材の全使用量は232万m2で、このうち32万m2(13.8%)分についてプラスチック製の代替型枠や打ち込み型枠などを採用しました。代替型枠など熱帯材合板以外の型枠の使用比率は13.8%になり、前年(12.5%)から1.3ポイント使用比率が増加、集計を始めた95年(8.8%)と比較し熱帯材合板以外の型枠の使用比率が5ポイント増加しています。

(2)オフィス資源の削減

事務所内で使用する資源やエネルギー量を把握し、社員の環境に対する意識を高めて省エネルギー(電力)、省資源(紙)に積極的に取組んでいます。

■コピー紙の使用
本社及び東京支店の事務所内での紙の使用量は、環境マネジメントの運用を開始した99年10月から2000年3月まで6ヶ月間で、267万枚(購入量302万枚)となりました。これより1ヶ月間の1人当りの紙の使用量は577.9枚となり、また、年間の使用量を推定すると6,934枚となります(年間全使用量:537万枚)。
これは、昨年度(5,609枚)と比較し年間で1人当たり約1,300枚増加(23.7%増)となりました。
99年度(99年10月〜2000年3月まで)の再生紙の使用は、全購入量の98%(302万枚中296万枚)となっています。
紙の使用量の増加原因として、組織再編やこれに伴う多数の新規プロジェクトの立ち上げなどがあります。

 

■電力の使用
本社及び東京支店の事務所内での電力の使用量は、124万kwhでした。98年度(108万kwh)と比較し16万kwh増加しました。紙と同様、環境マネジメントの運用を開始した99年10月から2000年3月まで6ヶ月間について、1人当たりの使用量は、134.5kwh/月、年間では1,614kwh/年となりました。これは、昨年度(1,402kwh)と比較し年間で約210kwh増加(15.1%増)となりました。この要因としてホストコンピュータの本社内への移設があります。

 
 2.2 リサイクルの推進


(1)建設副産物の現状
建設工事現場から排出される建設副産物について実態調査を行っています。
1999年度の建築工事の施工床面積1m2当たりに排出する混合廃棄物量は、26.8kg/m2で、1997年以降ほぼ横ばいの状況です。(原単位は、(社)建築業協会の算出方法(=個別の工事毎に原単位を計算し、それらの合計を工事件数で割る)で計算しています。)
一方、土木工事の単位工事金額(1億円)当りの1999年度の廃棄物排出量(汚泥を除く)は、89.5m3/億円となり、前年度(68.3m3/億円)より約21m3/億円増加しました。(なお、98年度版の報告書では重量で示していました。重量表示による98年度の廃棄物排出量は72.8ton/億円で、容積表示では68.3m3/億円です)
(これまでは排出量に換算係数を乗じて重量を算出していましたが、99年度以降はこの換算を廃止して実際に搬出した容積で把握することにしました。)

 

汚泥、コンクリート塊、アスコン塊の発生量については工事内容や工事量に大きく関係しているため前年度との単純な比較はできませんが、経年変化は前頁左下図の通りです。また、単位施工金額当たりの発生量は、前頁右下図の通りです。
 

混合廃棄物、金属くず、木くず等の主要廃棄物排出量の経年変化を以下に示します。99年度の分別排出率は18.0%で、98年度より約11%(98年度は7.5%)増加し、分別排出がすすんだものの、97年度(27.5%)と比較すると約9.5ポイント低下しており、今後も一層の分別排出に努め、廃棄物が有効に利用されるように取組んでいきます。
分別排出率=(全廃棄物発生量−混合廃棄物発生量)/全廃棄物発生量}で算出。(全廃棄物発生量には汚泥、コンクリート塊、アスコン塊の3品目は除く)
 

(2)工事現場での取組み
大規模整地工事に伴い生じた伐採材や伐根材の有効利用を京都府M作業所で行いました。整地工事で生じる伐採材や伐根材は、これまで焼却や埋立て処分にしていましたが、本工事では、これを破砕して堆肥やマルチング材(下草の発生防止材として使用)に加工して有効利用することで、環境汚染発生の回避や廃棄物処分場の容量不足問題の回避に役立てました。
加工する材料は、広葉樹木12,800u、針葉樹木7,300u分で、広葉樹木を堆肥に、針葉樹木は繊維が固く堆肥になるまでに長期間を要し、工期内での加工が難しいためマルチング材に加工しました。堆肥への加工では、整地1uあたりの樹木体積がチップ化で0.032m3に低減され、さらにこれを堆肥化することで体積が約1/3になります。このため、広葉樹木は約130m3分の堆肥となりました。また、マルチング材に加工した針葉樹木は、チップ化して約230m3になっています。
環境汚染の回避という視点から伐採材などの有効利用を行いましたが、これらの材料は本来産業廃棄物に当たるため、現場内での加工処理が中間処理にあたるとの問題があり指摘も受けました。今後も同様のことを行う場合には、必ずこのような問題が生じると思われます。しかし、廃棄物の有効利用で地球環境への影響回避につながるため誠意をもって今後も進めていきたいと考えています。今回は発注者や行政との協議を繰返す中で、実施に対する理解と了承を得られたことに深く感謝しています。

   
タフグラインダによる伐採材の粉砕   粉砕木材と発酵鶏糞混合   切返し

 

(3)発生材の再利用
建設工事で発生する土砂、アスコン塊及び砕石の有効利用状況は以下の通りです。
土砂については、使用量の34.5%(1998年度:37.5%)が再生材や再利用材となっており、97年度の使用比率16.9%と比較すると約17ポイント増加していますが、前年度より3ポイント使用比率が減少しました。
(再生材:土質改良プラントによる改良土、再生コンクリート砂)
(再利用材:他工事からの発生土)
アスファルトでは、全使用量の57.3%が再生材で前年(55.5%)より約2ポイント増加、97年度(31.2%)より約25ポイント増加し再生材の利用が進みました。
砕石の再生材の使用比率は27.8%で、98年度(46.9%)より約19ポイント減少しました。再生材の使用は材料の有効利用という点で積極的に取組んでいくことを目指していますが、残念ながら99年度は、土砂、砕石で98年度より利用率が低下する結果となりました。

(4)その他
 騒音・振動
 建設業として絶えず問題になる騒音振動等に対する本社・東京支店管轄での99年10月〜2000年3月までの苦情件数は以下の通りです。騒音振動に関する苦情は、法規制は遵守されているものの、工事に伴う苦情がかなり寄せられています。また、法的な問題をかかえているものは、廃棄物の不適正処理に関するもので、残念ながら1件発生しました。これは、廃棄物処理に際して、認可を受けた処理会社に委託したにもかかわらず、不法投棄されてしまったものです。しかしながら、排出事業者の責任として、今後、このような事態が再発しないよう、委託会社の選定、適正処理の実施を推進していきます。


 



3.教育・啓蒙と広報活動の推進

 3.1 社内研修・教育
環境への関心を高め、社員に環境保全の重要性を認識してもらうために社内で環境に対する教育を実施しています。
1999年度は、本社・東京支店に本格的に環境マネジメントシステムを導入するにあたり、システム内容、実施方法などを中心に対象別に教育を行いました。
また、土木・建築技術員に対する定期的な研修の中に環境教育を組込んでいます。1999年度は、土木及び建築技術員に対する研修プログラムの中で2回づつ、各回1時間で環境問題、環境マネジメントシステム、産業廃棄物問題などについて教育を行いました。

 3.2 環境講座の実施
1997年度から社内報の中に「環境講座」を設け、2ヶ月に1回の割合で掲載し始め、99年から新たに新・環境講座に模様替えを行い、社員に対して当社の環境への取組みを紹介しています。

年.月


シリーズNo.


内  容


1999. 4

10


解体コンクリート塊の再利用

1999. 6

11


RDF(廃棄物固形化燃料)発電

1999. 8

12


生態系廃棄物の再利用

1999.10

13


技術研究所の廃棄物対策

1999. 12

14


建設副産物の減量化・分別化

2000.2

15


LCA(ライフサイクルアセスメント)


 3.3 ネットによる社内活動の情報公開
1997年8月に、イントラネットに開設した「環境のページ」で当社の環境関連技術を紹介するとともに、「ISO14001」のページを環境マネジメントシステムの導入を機に設け、この中で、マネジメントシステムに関する各種の必要情報、環境管理会議での内容など、弊社が進める環境保全活動について情報を公開しています。
また、環境報告書は、弊社のホームページ(URT:http://const.tokyu.com/index.html)に掲載し、99年から公開するようにしました。


4.社会との協調

 4.1 地域との協調
社会への貢献の一つとして地域の環境保全活動に参加をしています。1999年度は次のような活動に参加しました。

* 豊平川クリーン作戦
 毎年恒例となっている札幌東急会主催で8月22日に実施されたクリーンキャンペーンに弊社から30名が参加して豊平川の「幌平橋」〜「豊平橋」間の約3km(両岸で6km)の河川敷きの清掃を行いました。

* 福岡東急会ボランティア活動
 昨年同様、東急会のボランティア活動として福岡市東区にある筥崎宮の境内・参道及び周辺道路の清掃作業を弊社から9名が参加し9月19日に実施ました。

* 作業所における地域奉仕活動例
 作業所周辺での地元道路の清掃作業、草刈りなどの実施などを幅広く行っています。

 4.2 諸団体活動への参加
団体活動としては日本建設業団体連合会、建築業協会、土木学会、エンジニアリング振興協会の環境関連の委員会、専門部会活動に参加しています。
また、99年6月9日〜12日に名古屋のポートメッセ名古屋で開催されたゼロエミッションフェアー'99(主催:日刊工業新聞社)に東急グループとして出展した中で、当社から「生崩壊性材料」「アクアトラップ」「ビオレーゼ」を出展しました。


 4.3 その他
東急グループ全体としての活動の中で、東急広報委員会に拠出(99年度は約280万円)し、この委員会を通じて、多摩川およびその流域の環境浄化保全を主目的としている「とうきゅう環境浄化財団」の活動に寄与しています。


5.設計・技術開発

 5.1 設計事例
(1)建築設計
■建築設計部門の環境保全活動
建築設計部門ではISO14001環境マネジメントシステムの認証取得と並行し、1999年度より3ヶ年毎の環境配慮設計目的を掲げ、多くの設計施工構築物で環境技術を配慮した設計が進行しています。
■建築設計部門の環境配慮設計目的と当社の環境保全重点事項;( )内
@ 建設残材の削減(建設副産物の発生抑制)
A 熱帯型枠材の使用削減(省資源)
B 掘削土発生の削減(騒音・振動の防止)
C 省エネルギー技術の導入(省エネルギーの推進)

今回はその中で1999年度に竣工した環境配慮設計施工建築物の一部を紹介致します。

■ 高岡法科大学大学院増築工事
大学院の講堂及び研究室
(RC造,S造・地上4階・延面積3,210u)
省エネルギー:アトリウムによる豊かな自然光と通風の確保、庇・袖壁による窓廻りの熱負荷の軽減、床下ピット利用による冷暖房と外気冷房方式の導入設計趣旨





■ 多摩市資源化センター建設工事
びん類、アルミ缶、スチール缶、ペットボトル、紙、草枝の資源リサイクルセンター
(SRC造・地上3階・延面積8,909u)
省資源:リサイクル材(タイル・家具・サインボード)の使用




■ 南青山プラース新築工事
パティオを囲んだショッピングコンプレックス
(S造・地上2階・延面積1,775u)
省資源:再生骨材コンクリートを建物基礎部に使用
騒音・振動:杭基礎無しの直接基礎採用により掘削残土を削減




■ 三菱電機(株)住環研新棟新築工事
住居環境を主体とした研究所(S造・地上4階・延面積4,140u)
建設副産物の発生抑制:工業化工法・工業化材料の多用による建設残材削減
省エネルギー:首都圏に位置しながら寒冷地並みの高断熱仕様、引き違いサッシュを多用した自然通風の確保、

  • 外観デザインに庇を取り込んだ陽射しの制御、大開口部から_光利用による電力消費低減、外部採光に連動した照度制御装置を採用



(2)土木設計
水循環の再生をめざしたプラスチック充填体を用いた雨水貯留浸透工法の提案
アクアトラップ工法)
当社では他社に先駆けて、1991年に開発地域における調整池の代替として、地上を歩道や駐車場、公園等として活用しながら簡易に地下調整池を施工可能な、プラスチック製充填体(ハニカムブロック)を開発しました。その後、改良品(アクアトラップ)を開発し1999年4月より営業活動を開始し、一年間に800m3の実績がありました。その用途には、開放型調整池を設ける土地が捻出できない場合の宅地内調整施設や、一時貯留した雨水を積極的に地下浸透させる浸透トレンチ施設などがあり、都市部の水循環の再生に貢献しています。
アクアトラップは枠体、脚、平板(底板・天板・側板として使用)、H駒(水平方向へのユニット連結)という4つの部材からなり、本体と脚13本を組み立てた本体ユニットは、幅50cm×長さ50cm×高さ27cmで、空隙率95%を有しています。そのため、砕石貯留工法に比べコンパクトな施設になります。1ユニットの重量は約2.6kgと軽量で、人力により上下左右に積層して短期間に所定の貯留空間を構築できるため、RC構造物にくらべトータルコストの低減化が図れます。また、アクアトラップは、ダイオキシン類を発生しないポリプロピレン樹脂のリサイクル材を使用しており、環境に配慮しています。
ここでは鎌倉手広宅地開発の事例について紹介します。これは、9戸のミニ開発地での住宅地内調整施設として、砕石貯留工法で対応できないため設計変更により施工した事例です。開発による流出抑制槽の必要容量は137m3でしたが、オーバーフローを自然勾配で行うために槽の深度が限られ、砕石貯留工法では難しい状況でした。空隙率が高いアクアトラップを使用することにより、槽をコンパクトにしています。
     
@掘削したところに保護シート、遮水シート、保護シートの順に施設   A底面に平板を施設   Bアクアトラップを組立て   C上面に平板を施設

 5.2 技術開発事例
環境保全に関わる技術として1999年度は、技術研究所が中心となって次の技術を開発しました。

(1)再生骨材コンクリート
コンクリート解体ガラの発生量は年々増加する傾向にあり、この解体ガラの有効利用が社会的に強く望まれています。本研究開発は、コンクリート解体ガラを建築物の躯体コンクリート用粗骨材(再生粗骨材)として再利用することで躯体費のコストダウンと建設副産物の減少を実現することを目的としています。このためには、解体ガラから均一な品質の再生粗骨材を製造するための品質管理手法が必要となります。弊社技術研究所は、再生粗骨材の特性を考慮した統計的手法に基づくサンプリング方法を用いることで品質管理に関わる作業の大幅な省力化を実現し、さらに実用的な骨材の迅速吸水率試験方法(特許出願中)を開発しました。これらを含め、コンクリート解体ガラから構造体供用後までの一貫した品質管理方法を確立し、1999年度に以下の現場で再生骨材コンクリートを構造躯体に採用しました。



集合住宅(大阪)杭体・駐車場ピットへの1種骨材の適用




(2)生崩壊性建設材料
 天然繊維や農業系廃棄物を原料とした本材料は、廃棄した場合に生分解されます。また、使用中や焼却時にも有毒・有害ガスを発生しません。セメント系と炭化物系の2種がありますが、1999年度は集合住宅であるパークハウス徳川山町(名古屋)の工事で木炭系ボードを調湿・脱臭材として用いました。








これまでの取組み経緯

1990年10月 : 環境保全部設置
1990年12月 : 第1回中央産業廃棄物処理・建設副産物利用対策委員会
1997年 4月 : 環境委員会設置
1997年 6月 : 環境保全部に環境課、保全課を設置
1997年 7月 : 第1回中央環境政策委員会開催, 環境憲章を制定
1998年 2月 : 本社からISO14001導入を決定
1998年 6月 : 環境品質部設置
1999年 7月 : 安全環境品質部設置
1999年 9月 : ISO14001導入宣言・環境方針制定、環境管理会議設置、

技術研究所ISO14001認証取得


2000年 3月 : 本社・東京支店ISO14001認証取得

会社概要

本社所在地 :東京都渋谷区渋谷1-16-14 渋谷地下鉄ビル

TEL 03-5466-5111


事業内容 : 総合建設業
設 立 : 昭和34年11月11日
取締役社長 : 井原 國芳
資本金 : 651億5,100万円(2000年3月)
建設業許可 : 建設大臣許可(特−9)第1300号
宅地建物取引業免許 : 建設大臣(9)第1737号
株式上場 : 東京・大阪証券取引所市場第1部
従業員数 : 3,050人(2000年3月)
売上高 : 4,058億900万円(2000年3月決算)


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